植物病原ウイルスの多粒子性DNAゲノムの機能解析と診断法の確立
Project/Area Number |
12760032
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
植物保護
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐野 義孝 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助手 (00226044)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 植物保護 / DNAウイルス / 分節ゲノム / 植物DNAウイルス / マルチパータイト・ゲノム |
Research Abstract |
レンゲ萎縮ウイルス(MDV)は複数の環状1本鎖DNAからなる多粒子性ゲノムを持つ植物ウイルスで、その遺伝情報は11種類のDNAセグメント(C1-C11)上に個別にコードされている。本研究は、MDVの多粒子性ゲノム機能を解析することにより、ウイルス感染・増殖に必須のDNAセグメントを同定し、あわせて信頼性の高い診断技術を確立することを目的とする。平成12年度には、2種のMDV-DNAクローン(C9,C11)を用いたトランジェントな植物組織片感染試験により、一過性のDNA複製がおこることを確認し、さらにC11が自身のDNA複製のみでなく他のDNAセグメントの複製にも必須の複製開始タンパク(Master-Rep)をコードすることを明らかにした。平成13年度においても、同様な系を用いて遺伝子導入を試みたが、すべてのDNAセグメントを用いた完全なウイルスゲノムの複製は認められていない。この原因として、用いたDNAセグメントの全てが同一の細胞核へ導入され難い可能性が考えられた。診断法の開発では、抗体作製のためにC9遺伝子を発現ベクターに組み込み、MDV外被タンパクの産生を確認したが、発現細胞中で不溶化することが判明した。今後目的遺伝子領域を断片化し発現させる必要があると思われる。一方、日本各地で発生したMDV感染株の診断をすすめる過程で、特定のMDV分離株中に新たなゲノムDNA(C12)が含まれることが判明した。このことはMDVの進化・来歴を考察するうえで重要な意義を持つと思われる(論文準備中)。以上、当初めざしたウイルスDNA導入による完全なウイルス増殖系の確立には至らなかったが、ウイルスゲノムの中でDNA複製の中心的役割を果たすC11を同定し、さらに新たな遺伝子(C12)を発見したことは大きな成果であり、今後の研究遂行する上で貴重な知見が得られたと思われる。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)