Transfer RNAにおける構造の安定化戦略の解析
Project/Area Number |
12760053
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用微生物学・応用生物化学
|
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
田中 照通 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (30273337)
|
Project Period (FY) |
2000 – 2001
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
|
Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Keywords | transfer RNA / ribonuclease P / hyperprocessing / Escherichia coli / guide DNA / ribozyme / intron / extra loop / M1 RNA / C5 protein / Drosophila |
Research Abstract |
生体系のタンパク質合成におけるアミノ酸の運び手であり、かつ遺伝暗号の担い手であるtransfer RNAは共通のクローバーリーフ構造を有しているが、この構造はすべてのtRNA分子において必ずしも安定ではないことを申請者らの研究グループは明らかにするとともに、その具体例を報告してきた。tRNA分子の不安定化はその内部配列における「望ましくない」相補性の存在に起因するが、tRNAの構造不安定化につながる配列にはある条件が存在する。すなわち多くのtRNA分子においてアクセプターステム領域とアンチコドンステム領域近傍との部分構造間において相補的な塩基配列が存在し、その相補性が原因で一部のtRNA分子においてtRNA分子を5'半分と3'半分とに分割したような「ダブルヘアピン」構造へと構造変化(変性)が起こる。tRNAにおけるこのような「望ましくない」分子内配列の相補性を申請者はtRNAの起源と構造が獲得される過程に起因すると考え、それに基づいて、tRNA分子における部分配列の意義と意味を考察した。クローバーリーフ構造が壊れやすいtRNAにはダブルヘアピン構造へと移行しやすい特徴があり、そのようなtRNAはイントロン配列や長いエクストラループを有するものに多く見つかることから、これらの「部分配列」がtRNAのクローバーリーフ構造の安定化に大きく寄与していることが推定された。今回の申請研究では「長いエクストラループ」がtRNAのクローバーリーフ構造を安定化していることを解明できた(論文は準備中)。一方で、tRNAイントロンはクローバーリーフ構造の安定化には寄与していないらしいこともわかった。また、真核生物に広く見られるtRNAイントロンは真正細菌のものには存在しないが、その理由がリボヌクレアーゼPというtRNAの成熟化酵素との相互作用に起因する可能性を見いだすことができた。
|
Report
(2 results)
Research Products
(17 results)