大動脈組織標本の内皮細胞における、水流・水圧刺激によるカルシウム応答に関する研究
Project/Area Number |
12770046
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General pharmacology
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
山本 雅幸 昭和大学, 薬学部, 助手 (90307067)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 血管内皮細胞 / 一酸化窒素 / 平滑筋弛緩反応 / アデノシン三リン酸 / 細胞内カルシウムイオン / シェアストレス / リゾホスファチジン酸 |
Research Abstract |
血流に起因する圧力や流れなどの機械的刺激は、血管内皮細胞の多彩な生理機能を調節しており、細胞内Ca^<2+>濃度の時空間的な変化との関連が考えられている。本研究では、血管内皮細胞の血流や薬物によるCa^<2+>応答を、より生理的環境に近い状態で検討するために、Ca^<2+>蛍光指示薬を取り込ませたマウス大動脈組織標本に昨年度開発した流れ負荷装置を装着し、流れ刺激による血管内皮細胞の細胞内Ca^<2+>濃度変化について検討した。 生体内活性物質であるATPの存在下、流れ刺激を負荷すると、細胞内Ca^<2+>は上昇し、刺激を止めると速やかに基礎レベルまで低下した。このCa^<2+>応答は、ATPの濃度依存的に増加したが、流速依存性はあまり認められなかった。また、生体内活性リン脂質の1つであるリゾホスファチジン酸(LPA)の存在下、流れ刺激を負荷すると、反復性あるいは持続性の特徴ある細胞内Ca^<2+>上昇を示した。このCa^<2+>応答は、LPAの濃度依存的、かつ流れ刺激の強度に依存して増加した。流れ刺激の成分には、細胞に対し垂直方向にかかる法線応力(圧力)、水平方向にかかるずり応力(シェアストレス)および流速に依存した薬物の細胞への供給量が考えられる。そこで、デキストランを用いて栄養液の粘性を高め、シェアストレスのみを増加させた場合について検討した。その結果、このCa^<2+>応答は、シェアストレスに依存して増大することが明らかとなった。また、このCa^<2+>応答は、細胞外液Ca^<2+>の除去および機械受容チャネルの阻害薬Gd^<3+>により顕著に抑制された。これらの知見より、このCa^<2+>応答は、流れ刺激による機械受容チャネルからのCa^<2+>流入に基づくものと示唆された。LPAは、通常の血漿中に存在し、血小板の活性化に伴い遊離されることから、炎症時の内皮細胞・平滑筋細胞の機能変化に重要な役割を担っていると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)
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[Publications] Ohata, H., Tanaka, K., Maeyama, N., Ikeuchi, T., Kamada, A., Yamamoto, M., Momose, K.: "Physiological and pharmacological role of lysophosphatidic acid as modulator in mechanotransduction"Japan. J. Pharmacol.. 87・3. 171-176 (2001)
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