血管内皮細胞におけるチロシンキナーゼSykの機能解析
Project/Area Number |
12770072
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pathological medical chemistry
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
柳 茂 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60252003)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | チロシンキナーゼ / Syk / Syk欠損マウス / 血管内皮細胞 / 細胞増殖 / 細胞移動 / アデノウイルス |
Research Abstract |
チロシンキナーゼSykは血球系・免疫系細胞に発現する免疫受容体の特異的な初期反応に関与するシグナル分子と考えられているが、Syk欠損マウスの解析の結果、成熟Bリンパ球の欠損のみならず、微小血管からの出血と浮腫および生後直後の致死が観察された。この現象は血球系細胞の機能不全のみでは解釈不能であり、現在、全く原因不明である。そこで、我々はSyk欠損で観察された微小血管からの出血と浮腫は、血管内皮細胞の機能不全によるのではないかと血管内皮細胞におけるSykの機能の解析を試みた。方法としては、Syk欠損マウスの微小血管における出血、血管拡張、浮腫などの原因と考えられる血管内皮細胞の電子顕微鏡レベルによる解析を前年度より継続して行った。その結果、Syk欠損マウスの血管内皮細胞の形態観察において野生型と比較して著しい発達異常および細胞死が認められた。さらに、血管内皮細胞の増殖・修復におけるSykの役割を解析を進めたところ、血管内皮細胞(HUVECs)の増殖刺激によりSykの発現誘導が観察された。、Syk並びにSykドミナントネガティブのアデノウイルスを作製し、HUVECsへのこれらの影響を調べたところ、Sykドミナントネガティブのアデノウイルス感染による過剰発現によりHUVECsの増殖および修復能への著しい抑制効果が認められた。以上の結果よりSyk欠損マウスで観察された微小血管からの出血、血管拡張、浮腫などの原因が血管内皮細胞であることが強く示唆された(Yanagi et al. Blood,2001)。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)