C型インフルエンザの疫学におけるNS遺伝子の重要性
Project/Area Number |
12770150
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Virology
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
松嵜 葉子 山形大学, 医学部, 助手 (00292417)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | C型インフルエンザウイルス / 分子系統樹 / リアソータント |
Research Abstract |
本邦での1980年以降のC型インフルエンザウイルスは、HE遺伝子の塩基配列から3つの系統のウイルス[山形/81系統、愛知/81系統、ミシシッピー/80(MS/80)系統]が共存しつつ蔓延している。我々の以前の解析から、1992年までの分離株のNS遺伝子は系統樹上2つのグループ(A,B)に分類でき、1985年以降の新しい分離株の同遺伝子はBグループに所属することが分かっている。これはBグループのNS遺伝子を獲得したリアソータントだけが生き残っていることを示唆しており、C型ウイルスの拡がりにNS遺伝子が最も重要な因子である可能性がでてきている。今年度は昨年に引き続きこの可能性を碓信させる以下の成績を得た。 1.1996年と98年に山形市において、2度にわたるC型インフルエンザの流行を初めて捉えることができた。分離された33株は全て山形/81グループの抗原性をもつ同一のウイルスであった。このウイルスがこれまでのC型ウイルスより、はるかに拡がりのよいウイルスであると確信し遺伝子解析を行ったところ、PB2、PB1、HE、M、NS遺伝子は山形/81系統のHE遺伝子をもつpig/北京/81様ウイルスから、P3、NP遺伝子はMS/80様ウイルスからもらったリアソータントであった。NS遺伝子はすべてBグループに属していた。 2.20年前に本邦で分離された後、全く姿を消していた神奈川/76系統のHE遺伝子をもつC型ウイルスが1996年の宮城県で1株みつかった(宮城/9/96)。宮城/9/96はHE遺伝子こそ神奈川/76系統であるが、残り6つの内部遺伝子は当時流行していた上記の山形/81系統の内部遺伝子をそのまま受け継いだリアソータントであった。NS遺伝子は神奈川/76がAグループなのに対し、Bグループのものになっており、拡がりのよい内部遺伝子を獲得したことにより再出現してきたものと考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)