新たに発見された愛知ウイルスの感染性cDNAを利用した非構造タンパク質の機能解析
Project/Area Number |
12770159
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Virology
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
佐々木 潤 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手 (70319268)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | ピコルナウイルス / Leader protein / 2A protein / RNA replication |
Research Abstract |
愛知ウイルスは、急性胃腸炎関連の新規ピコルナウイルスである。本研究は、愛知ウイルスの非構造タンパク質、特にL、2Aタンパク質の機能を調査し、下痢発症の機構についての知見を得ることを目的としている。昨年度は愛知ウイルスの感染性cDNAクローンのL、2Aタンパク質コード領域に欠失変異を導入し、ウイルス増殖に与える影響を調査した。その結果、L領域欠失変異体、2A領域欠失変異体ともにウイルスRNAが複製しなかったことから、愛知ウイルスのLおよび2AがRNA複製に必須のタンパク質であることが明らかとなった。本年度はLおよび2Aにおける、ウイルスRNAの複製に重要な領域を調査した。 Lタンパク質170アミノ酸のうちの4-53、4-92、73-163、114-163番目のアミノ酸を欠失したLを発現するような変異体を作製し、これらのRNA複製能を調査したところ、114-163番目のアミノ酸を欠失させた場合のみRNAの複製が認められた。このことから、Lの機能に重要な領域はN末端側113アミノ酸に存在することが分かった。 最近、愛知ウイルスの2Aのアミノ酸配列には、細胞増殖の制御に関わる細胞タンパク質、H-rev107ファミリーで保存されている配列モチーフが認められることが報告された。H-rev107ファミリーで保存されているモチーフのうち、アスパラギン-システイン・モチーフ(NCモチーフ)をアラニン-アラニンに置換した2Aをコードする変異体および、疎水性アミノ酸領域を欠失した2Aをコードする変異体を作製し、これらのRNA複製能を調査した。その結果、NCモチーフ変異体は野生型のRNAに比べてRNAの複製が遅いこと、また、疎水性アミノ酸領域を欠失した変異体は複製しないことが明らかとなった。以上のことから、愛知ウイルスの2Aタンパク質にみられるH-rev107ファミリーのアミノ酸配列モチーフは、ウイルスRNAの複製に重要であることが示された。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)