ヒト膵特異抗原(Elastase III)の酵素免疫測定法の開発とその法医学的応用
Project/Area Number |
12770220
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Legal medicine
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
柿崎 英二 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (70284833)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 膵臓損傷 / Pancreatic Elastase III / サンドイッチ ELISA / 臓器特異抗原 / サンドイッチELISA |
Research Abstract |
前年度までにヒト膵Elastase IIIを指標とした酵素免疫測定法を開発した。そこで今年度、この測定系を用いて血清膵Elastase III濃度及び回収率について検討を加えると共に、その法医学的応用について検討した。 健常者12例の血清中膵Elastase III濃度は、男性で1.3±0.8ng/ml(Mean±SD)、女性で1.0±0.3ng/mlを示した。次いで血清の各ゲル濾過分画を測定した結果、膵Elastase IIIの免疫活性は分子量約80kDa(30kDa Elastase III,51 kDa α_1-Antitripsin)付近に認められ、血中での膵Elastase IIIの存在形態はα_1-Antitripsinとの複合体であるものと考えられた。また健常者6例の血清5μlに0.6ng/ml及び6ng/mlの膵Elastase IIIを添加した条件における回収率は、いづれも90%以上の高い回収率を示し、平均で96.3±3.89%を示した。胃腸管内の各部位から得たその内容物中の膵Elastase IIIは、総蛋白比(μg/mg)で大腸において最も高濃度に検出され、上行結腸で43.6(range;0.68-87.0)、下行結腸で512(range;0.2-96.3)、直腸で30.4(range ;7.61-62.7)であった。膵臓刺入メス刃に付着した血痕から検出された膵Elastase IIIは、総蛋白比(ng/mg)で、4956±3067を示し、一方、消化管以外の諸臓器(脳、心、肺、肝、腎、脾、筋)における膵Elastase IIIの総蛋白比(ng/mg)の平均値は0.5115±0.1779であった.このことから膵臓に刺入した凶器と消化管以外の諸臓器に刺入した凶器との鑑別はこの測定法を用いれば、容易に可能であると思われ、本法が膵臓傷のマーカーとして極めて有用であることが示された。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)