肝細胞癌におけるTGFβ標的遺伝子とRb結合蛋白9の発現と局在についての研究
Project/Area Number |
12770259
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Gastroenterology
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
芦田 耕三 岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (70291474)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 肝細胞癌 / TGF β / コラーゲン[タイプI, III, IV]遺伝子 / α-SMAアクチンフィラメント / Rb結合蛋白9 / TGFβ / コラーゲン[タイプI,III,IV]遺伝子 |
Research Abstract |
ヒト肝細胞癌においてもTGF β1の過剰発現が知られているが、その役割は明らかではない。またそのTGFβによる増殖抑制性シグナルの回避機序の存在も疑われている。今回TGF β1の標的遺伝子のひとつである各種コラーゲン[タイプI, III, IV]遺伝子の発現及びTGFβシグナル回避機序のひとつと示唆されているRb結合蛋白9[BOG]の発現について肝細胞癌結節内外で検討を行った。 1)肝癌結節の周辺部[非癌部との境界]に於いては活性化した伊東細胞マーカーであるα-SMAアクチンフィラメント[α-SMA]陽性細胞が集簇し、それらの陽性細胞にコラーゲン遣伝子の発現を認めた。また被膜外浸潤の部位においても被膜外浸潤結節最外側部にα-SMA陽性細胞が配列し、それらの細胞が被膜部同様に、コラーゲン遺伝子を発現していた。癌結節内部においてもα-SMAが陽性で各種コラーゲン遺伝子[特にI&III型]を発現する細胞が主として異なる結節間間隙や壊死組織周辺部に多数観察され、これら細胞がコラーゲン遺伝子を発現することにより繊維性隔壁の形成並びに壊死部の修復機転への関与していることが示唆された。また同様の細胞は円山らの報告の如く索状型肝細胞癌の類洞様血管にも認められ、構造の維持などの役割も果たしていることが示唆された。以上、癌結節内部においても伊東細胞様細胞による活発なコラーゲンの発現が認められ、それらが癌結節の増殖・進展に深く関わっていることが示唆された。 2)肝細胞癌癌組織でのBOGの発現については明らかなシグナルは認められず、現在の検出限界以下の発現での転写因子としての関与の可能性もしくは肝細胞癌での関与していない可能性が示唆された。 TGF β1の発現と伊東細胞様細胞の活性化及びそれに続くコラーゲン遺伝子の発現には深い係わり合いが示唆された。他方TGF β1の肝癌の増殖・進展への関与においてRb結合蛋白9の関わりは明らかではなかった。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)