炎症担当細胞を遺伝子導入の標的とした、炎症性肺疾患の新しい遺伝子治療
Project/Area Number |
12770300
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Respiratory organ internal medicine
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
鈴木 基好 横浜市大, 医学部, 助手 (10295496)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 遺伝子治療 / アデノウイルス / ヘムオキシゲナーゼ / 呼吸器 / 肺傷害 / 炎症性肺疾患 |
Research Abstract |
1.LPS吸入で作成したマウス肺内好中球遊走モデルにおいて、ヘムオキシゲナーゼ発現アデノウイルスの前投与はこれを有意に抑制した。これに一致して肺の組織学的所見(胞隔の浮腫・肥厚・欝血)も明らかに改善した。免疫組織学的検索により導入遺伝子産物は肺胞マクロファージと気道上皮に発現していたが、気管支肺胞線上にて回収したマクロファージをin vitroでLPS刺激した際にも炎症性サイトカインの発現プロフィールが著明に変化していることが示された。即ち、ヘムオキシゲナーゼのマクロファージ内発現により、LPS刺激時のIL-10産生能が有意に増強していた。これに一致して、気管支肺胞洗浄液中のIL-10濃度は対照群の約10倍に増加していた。IL-10欠損マウスではヘムオキシゲナーゼ導入による肺内好中球遊走の抑制が見られないことから、LPS吸入モデルにおけるヘムオキシゲナーゼを用いた治療の作用機序としてはマクロファージからのIL-10産生増強が重要であると考えられた。この研究成果は近日中にHuman Gene Therapy誌に掲載される。 2.アデノウイルスによる肺内のヘムオキシゲナーゼ高発現は、さらに卵白アルブミンをも出る抗原とした好酸球遊走、ブレオマイシンやインフルエンザウイルスによる肺傷害をも有意に抑制した。特にインフルエンザウイルス肺炎のモデルにおいては、IL-10の発現誘導は治療効果のメカニズムとは関係なく、むしろ肺胞上皮に対するアポトーシス抑制効果が重要であると考えられた。この成果は、Gene Therapy誌に投稿中である。
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Report
(1 results)
Research Products
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