アルツハイマー病原因遺伝子による神経細胞死に対する拮抗遺伝子と分子装置の解明
Project/Area Number |
12770326
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurology
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
橋本 祐一 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00317330)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | アルツハイマー病 / アミロイド前駆体蛋白質 / プレセニリン / アミロイドβペプチド / 神経細胞死 / 神経変性疾患 / ヒューマニン / プレセリン / スクリーニング |
Research Abstract |
今年度は、昨年度の研究成果および申請時の研究計画を基に、主として家族性アルツハイマー病(FAD)原因遺伝子が誘導する神経細胞死機序の解明と拮抗分子の発見・作用機序の解明を行った。 その結果、(1)FAD-PS1変異体とFAD-PS2変異体は共に神経細胞死を誘導するが、各々の変異体遺伝子による神経細胞死誘導機構は独立し異なっていることを明らかにした[Hashimoto et al.. J. Neurochem.(2002),Hashimoto et al.. J. Pharmacol. Exp. Ther.(2002)]。(2)V642I-APPが誘導する神経細胞死をIGF-Iは抑制し、この抑制作用はIGFBPの存在下では消失すること、IGFBPと結合しないN末端3残基を欠失させたdes(1-3)IGF-IはIGFBP存在下でもこの細胞死を抑制することを明らかにした[Niikura et al.. J. Neurosci.(2001)]。(3)本研究の主題である抗アルツハイマー病関連神経細胞死抑制分子であるHumanin(HN)の同定に成功した[Hashimoto et al.. Proc. Natl. Acad. Sci. USA(2001). Hashimoto et al. Biochem. Biophys. Res. Comm. (2001),新倉ら実験医学(2001),川澄ら医学のあゆみ(2001),橋本ら脳の科学(2002)]。HNの構造活性相関を詳細に検討した結果、HNの3Pro-19Proの17アミノ酸部分(HN17)でHNの活性を完全に保持出来ること、HN17のS14G誘導体(HNG17)のアラニンスキャンにより、3Pro、8Cys、9Leu、12Leu、13Thr、14Glyおよび19Proの7アミノ酸が必須であることを明らかにした。また、これまでに知られている抗アミロイドβペプチド因子であるADNF9、IGF-I、およびbFGFとHNGの比較を異なる4種類のFAD遺伝子が誘導する神経細胞死について検討したところ、全てのFAD遺伝子が誘導する神経細胞死に共通に拮抗出来る因子はHNGのみであることが分かった[Hashimoto et al. J. Neurosci.(2001)]。HNの生体での発現の検討を行い、複数の組織で抗HN抗体に反応する分子が存在することを明らかにした[Tajima et al. Neurosci. Lett. In press(2002)]。
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Report
(2 results)
Research Products
(16 results)