フォスカルネット耐性ヘルペスウイルス感染症の治療法と迅速診断法のための基礎研究
Project/Area Number |
12770416
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pediatrics
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
西條 政幸 国立感染症研究所, ウイルス第1部, 研究員 (50300926)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 単純ヘルペスウイルス / アシクロビル / フォスカルネット / シドフォビル / ガンシクロビル / ペンシクロビル / 耐性 / チミジンリン酸化酵素 / DNA合成酵素 |
Research Abstract |
Wiskott-Aldrich症候群患者に対する免疫能構築のためHLA一致同種骨髄移植を施行した.増悪したHSV-1感染による皮膚病変に対しフォスカルネット(PFA)投与療法を行ったが,PFA投与約1ヶ月後にPFA耐性HSV-1が分離された.免疫不全患者が増加している今日,PFA耐性ヘルペスウイルス感染症の増加が予想される.今年度は,PFA耐性HSV-1感染症の治療法に関する知見を得るため,以下の実験を行った.単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)TAS株からプラーク精製された33クローンを作製した.そのプラーク精製された各HSV-1クローンをそれぞれフォスカルネット(PFA)添加培地にて培養することによって,PFA耐性HSV-1を作製し,さらにそのPFA耐性HSV-1から,プラーク精製によって33クローンのPFA耐性HSV-1株を作成した.これらPFA耐性HSV-1 33クローンのシドフォビル(CDV),グアノシンアナログ系抗ウィルス剤[アシクロビル(ACV),ガンシクロビル(GCV),ペンシクロビル(PCV), S2242]に対する感受性をVero細胞におけるプラーク減少法で評価した.PFA感受性親株(PFA添加前のウイルス)および実験株代表としてVR-3株の各種抗ウイルス剤に対する感受性を検討した.親株やVR-3株より高い感受性を示した場合を過感受性,ほぼ同等に感受性を示す場合を感受性、より低い感受性を示した場合を耐性とした.PFA耐性株33クローンの薬剤感受性は, CDVに対して過感受性33株中13株(39%)感受性16株(48%)耐性4株(12%),ACVに対して過感受性0株(0%)感受性17株(52%)耐性16株(48%),GCVに対して過感受性3株(9%)感受性29株(88%)耐性1株(3%),PCVに対して過感受性0株(0%)感受性21株(64%)耐性12株(36%)S2242に対して過感受性0株(0%)感受性13株(39%)耐性20株(61%)であった.このようにPFA耐性株が他の抗ウイルス剤に交差耐性を示す場合がある一方,親株に比較してより高い感受性や同等の感受性を示す場合がある.特にGCVに交差耐性を示したものは3%のみであった.これらの成績は,チミジン燐酸化酵素に変異を伴わないPFA耐性株が出現したとしても,他の薬剤による治療が可能であることを示唆している.この薬剤感受性パターンとDNAポリメラーゼとの関連を解析中である.
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)