表皮ケラチノサイトにおける新規MAPキナーゼBMK1の研究
Project/Area Number |
12770446
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Dermatology
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
藤山 幹子 愛媛大学, 医学部・附属病院, 助手 (60263935)
|
Project Period (FY) |
2000 – 2001
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | 角化細胞 / BGF family / auto-induction / cross-induction / BMK1 / adenovirus vector / ケラチノサイト / adenovirus vector. / EGF / autocrine / dominant negative |
Research Abstract |
MAPキナーゼカスケードは、細胞成長因子、細胞分化因子、ストレス刺激などの細胞外刺激を細胞内に伝達する重要なシグナル伝達経路であり、MAPKKK、MAPKK、MAPKの三段階のキナーゼによるカスケードからなる。MAPKとして、MAPK/ERK、p38、SAPK/JNKが知られていたが、最近、ERK5/BMK1の存在が明らかとなった。BMK1はEGFによる刺激でリン酸化され、核内に移行し、転写因子MEF2Cを活性化することが明らかとなっている。注目すべきことに、不活性型BMK1を発現した細胞では、GO/G1期に集合し、増殖停止を起こすことが知られている。 EGFファミリー細胞成長因子は、10数種類存在するが、表皮細胞では、TGF-alpha、amphiregulin、HB-EGF、epiregulinが産生され、au t ocrine様式で作用する。このようなEGFファミリー細胞成長因子による作用の表皮内シグナル伝達経路については、表皮細胞では研究されておらず、他の細胞における報告から、Raf、MEKl/2、MAPK/ERKのカスケードの関与が想定されていた。しかし、最近のBMK1に関する研究は、むしろERK5/BMK1が重要であることを示唆するものである。 表皮細胞におけるEGFファミリー細胞成長因子のautocrine作用機構の検討 EGFファミリー細胞成長因子によるBMK1リン酸化の検討 TGF-alpha、amphiregulin、HB-EGF、epiregulinを表皮ケラチノサイトの培養上清に添加し、細胞抽出物を回収しウェスタンブロツト法にてBMK1のリン酸化を検討したところ、表皮角化細胞においてはBMK1のリン酸化は認められなかった。 Ad-DNBMK1およびのAd-DNERK5のautocrine機構への影響の検討 TGF-alpha、amphiregulin、HB-EGF、epiregulin添加時の表皮ケラチノサイトの増殖促進効果がAd-DNBMK1およびのAd-DNERK5のtransfectにより抑制されるかどうかを、DNA合成を示標に検討したところ、DNA合成の抑制は認められなかった。 Ad-DNBMK1およびAd-DNERK5をtransfectした表皮細胞に、TGF-alpha、amphiregulin、HB-EGF、epiregulinを添加し、それぞれのmRNAの誘導されるかについて、RT-PCR法を用いて検討したところ、EGF familyのautoinduction,ならびに、cross-inductionともに影響を与えなかった。 以上の結果をまとめると、表皮角化細胞においてはBMKの経路はほとんど作用していないことが明かとなった。
|
Report
(2 results)
Research Products
(1 results)