アトピー性皮膚炎マウスモデル(NC/Ngaマウス)を用いたアトピー性皮膚炎の発症機序の解析:特に肥満細胞増殖に関して
Project/Area Number |
12770456
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Dermatology
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
須藤 一 順天堂大学, 医学部, 講師 (90286740)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / NC / Ngaマウス / バリヤー機能 / 肥満細胞 / IL-3 / IL-4 / JAK2 / STAT |
Research Abstract |
昨年の結果をふまえ,我々はNC/Ngaマウス(以下NCマウス)におけるアトピー性皮膚炎(以下AD)様皮疹の誘導実験をおこなった.すなはち,SPF(Specific Pathogen Free)環境下において、従来のハプテンを用いる系とは異なり、ヒトのADでも重要な発症因子のひとつであるダニ抗原を用いてNCマウスにAD様の皮疹を誘導する方法を検討した。SDS、エタノール、アセトン・エーテル混合液を用いて皮膚のバリア機能を低下させた後、ダニ抗原の塗布を行い、各試薬の皮膚炎の発症に対する効果の検討を行った。その結果、バリア機能の低下処理後にダニ抗原を塗布した群は臨床的かつ組織学的に明らかな皮膚炎を発症し、血清IgE値も上昇していた。またその皮疹はバリア機能低下処理に用いた薬剤が強いほど重症化した。一方、対照としたBALB/cマウスでは皮膚炎を発症させることはでず,血清IgE値も増加していなかった。以上のことより,抗原塗布前のバリア機能低下処理は皮膚炎発症の重要な要素であると考えられた。その後,このNCマウス骨髄より肥満細胞を誘導しセルライン化することに成功したが,その肥満細胞は粘膜型であり結合織型に比べやや顆粒の少ない肥満細胞であった.その肥満細胞を用い,IL-3,IL-4に対する増殖活性を検討した.NCマウスのマスト細胞はBALB/cマウスのマスト細胞と比べて,著しく高い増殖活性を示し,IL-3及びIL-4各々で刺激した場合のJAK2及びJAK3のリン酸化を比較したところ,NCマウスのBMMCはBALB/cマウスのBMMCは比べて明らかにリン酸化が亢進していた.リガンド特異的なIL-3レセプターα鎖とIL-4レセプターα鎖の発現を比較検討したところ,両系統のマウスに有意差は認められなかったものの,JAK2とSTATのリン酸化はNCマウスにおいて優位に亢進しているという結果となった.
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)