赤血球分化における血球特異的RINGフィンガー蛋白、HERF1の分子生物学的役割
Project/Area Number |
12770561
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
原田 浩徳 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助手 (10314775)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 白血病 / 造血幹細胞 / 分子生物学 |
Research Abstract |
1.これまでに、赤血球系細胞特異的な新規RINGフィンガー蛋白であるHERF1の、赤血球系細胞の分化における役割を検討してきた。マウス赤白血病細胞株MELにテトラサイクリンで調節されるHERF1のアンチセンスおよびセンス発現誘導システムを構築した。アンチセンスの発現によりDMSO刺激によるMEL細胞の赤血球系細胞への分化が抑制され、一方センスの発現によってDMSO非刺激下でもMEL細胞の赤血球系細胞への分化、グロビンの産生増強が認められた。このことから、HERF1が赤血球系細胞の分化に重要であることが分かった。さらにHERF1遺伝子の欠損マウスを作成し、生体レベルでの役割を検討した。HERF1欠損マウスにおける末梢血と骨髄の赤血球系細胞を含めた造血細胞数および骨髄幹細胞のコロニーアッセイに異常はなかった。また、放射線や各種ストレスによる赤血球系細胞への影響を検討したが異常はみられなかった。欠損マウスに明らかな異常は認められていないが、赤血球系細胞特異的な他のリングフィンガー蛋白が同定されており、HERF1との協調作用を考慮する必要性がある。 2.咋年度、ヒトHERF1を同定し赤血球系細胞の分化に関与していることを明らかにした。HERF1と同じ構造(RBCC-RFP)を持つMID-1はRFPドメインの点突然変異によりOpitz症候群を来たし、またRFPは甲状腺腫瘍においてRETと融合蛋白を形成する。そこで各種造血器疾患(骨髄異形性症候群、急性白血病および慢性骨髄増殖性疾患)におけるHERF-1のRFPドメインにおける点突然変異をPCR-SSCP法で検索したが、変異はみとめられなかった。さらに、サラセミアや溶血性貧血などの赤血球系疾患での変異の有無のスクリーニングを行っている。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)