慢性腎不全における高リン血症を抑制する新規リン代謝調節ホルモンの機能解析
Project/Area Number |
12770583
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Kidney internal medicine
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
森田 恭子 徳島大学, 医学部, 助手 (40244777)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 高リン血症 / リン利尿因子 / スタニオカルシン / FGF23 |
Research Abstract |
長期透析における合併症対策は、患者のQOLを左右する重要な問題である。透析時の高リン血症への対策を図るため、腸管および腎臓におけるリン(再)吸収抑制因子の検索が行われ、低リン血症を引き起こす未同定の液性因子phosphatoninが注目された。最近、ポジショナルクローニングより常染色体優性遺伝性低リン血性くる病(ADHR)の原因遺伝子としてFGF23が同定され、同様に低リン血症を呈する腫瘍性骨軟化症の責任腫瘍からも過剰分泌されていることが証明された。そこで、本研究ではHemangiopericytoma患者の摘出腫瘍からFGF23 cDNAをクローニングし、pCIneo発現ベクターに組み込んだ。FGF23をCHO-K1細胞にトランスフェクションし、その培養上清を濃縮しウェスタンブロット法にてその分泌を確認した。さらにこの培養上清をブタ腎臓近位尿細管細胞株LLC-PK1細胞に添加し、24時間培養後total RNAを抽出しRT-PCR解析にてNPT2の発現を検討した。その結果、FGF23によってNPT2の発現は抑制され、先に我々が同定したSTC2とほぼ同程度の抑制効果を示した。また、ADHR患者の変異部位である176番目に変異を導入したFGF23変異体をmutagenesisによって作製し、CHO-K1細胞にトランスフェクションした。この培養上清をLLC-PK1細胞に添加し、同様にNPT2の発現を検討した。その結果、FGF23変異体はSTC2およびFGF23と比較して有意にNPT2の発現を抑制した。最近、FGF23の176-180番目に存在するRXXRモチーフがプロテアーゼ消化をうけることが示唆され、NPT2の発現低下すなわち低リンの誘導には、プロテアーゼによる修飾を受けないFdF23変異体が効果的である可能性が示唆された。今後この変異体をGSTとの融合蛋白として発現させ、5/6腎摘ラットへ投与し、腎不全時の高リン血症予防効果について検討する予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)