マクロファージの細胞内コレステロール転送に伴うACAT-1細胞内局在変化の解析
Project/Area Number |
12770637
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Metabolomics
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
坂下 直実 熊本大学, 医学部・病理学第二講座・文部化学教官講師 (90284752)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | ACAT / 小胞(vesicle) / 免疫電顕 / マクロファージ / コレステロール / 泡沫化 |
Research Abstract |
ヒト末梢血単球由来マクロファージの泡沫化におけるアシルコエンザイムA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ-1(ACAT-1)の細胞内局在の変化を超微形態レベルにて検討した。培養ヒトマクロファージをアセチル化低密度リポ蛋白(LDL)にて48時間処理すると、細胞の泡沫化とともに本来小胞体に存在するACAT-1が小胞体に由来する小胞構造(vesicle)に移行した。ACAT-1は細胞内に過剰に存在するコレステロールをエステル化することによって、コレステロールの毒性から細胞を保護し、細胞内コレステロールホメオステーシスを維持している。したがって過剰量のコレステロール負荷に伴って出現するACAT-1陽性小胞は、細胞内コレステロール濃度の上昇に伴って、ACAT-1の基質であるコレステロールとACAT-1の接触性(accessibility)を亢進させ、効率的に過剰な細胞内コレステロールをエステル化して細胞内コレステロール濃度を低減させていると考えられる。 マクロファージ泡沫化に伴うACAT-1陽性小胞はヒトマクロファージのみならずマウス腹腔マクロファージにおいても同定できた。また、アセチル化LDLにて処理したマウス腹腔マクロファージは、小胞体からゴルジ体への細胞内輸送小胞の形成を阻害するブレフェルディンAの存在下においても泡沫化した。このことより、過剰の細胞内コレステロール負荷によって生じるACAT-1陽性小胞出現は小胞体→ゴルジ体への小胞輸送経路とは異なったメカニズムにより制御されていると考えられた。 ACAT1陽性小胞の形成機構の解析を行うために、ACAT活性を持たない変異Chinese Hamster Ovary細胞株(AC29)にヒトACAT1遺伝子を導入し、ACAT1過剰発現CHO細胞株(His ACAT1-CHO)を樹立した。生化学的解析の結果、His ACAT1-CHOは通常培養環境下において大量のコレステロールエステルを蓄積する細胞泡沫化のモデル細胞株であることが判明した。今後、この細胞株を用いてACAT1陽性小胞形成機構を解析する予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)