Research Project
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
今年度は、X染色体劣性網膜色素変性の候補遺伝子であるRP2遺伝子を用いて検索を行い、世界で初めての遺伝子異常、およびその臨床像の報告を行った。さらに、また、RDH5遺伝子1085delC/insGAAG変異が日本人眼底白点症の高頻度変異であり、Gly35Ser変異は進行性網膜変性を起こすことを報告し、眼底白点症の病態に関して新たな知見を与えた。また、今年度のもっとも強調したい実績は、日本人に特異的に網膜色素変性の原因遺伝子異常が存在するという観点から、現在までに網膜色素変性を起こすと報告されていない遺伝子に対して日本人患者でスクリーニングを施行した結果、日本人に高頻度に認められる遺伝子異常を発見し、さらにその臨床像の検討をおこなった。その結果、FSCN2遺伝子208delG変異は、日本人常染色体優性網膜色素変性の高頻度変異であるばかりでなく、この変異は。錐体桿体ジストロフィーを起こすことも見いだした。これらの業績は、平成13年アメリカで行われた国際学会で報告し、大きな反響を呼んだ。また、遺伝子異常とその臨床像のデーターベース化を行い、臨床像から、原因遺伝子へアブローチできるような体制を作製し、現在も進行中である。当教室は本邦における網膜色素変性の研究センター的機能を果し、全国の大学より本症患者の血液を集め、すでに1000例以上のゲノムDNAを保管しており、本研究をさらに発展できる準備は十分整っている。
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