実験的ぶどう膜炎のマウス前房における局所免疫機構の分子解析
Project/Area Number |
12771018
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Ophthalmology
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
太田 浩一 信州大学, 医学部, 講師 (70262730)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | ぶどう膜炎 / 前房水 / 免疫制御因子 / IL-6 / TGF-beta / T細胞増殖反応 |
Research Abstract |
前年度の結果より、エンドトキシン誘発ぶどう膜炎の前房水においても、強力な免疫制御因子であるTGF-betaが存在していることが明らかとなった。しかし、正常眼が有する前房水のT細胞増殖抑制能は消失していた。今年度は前房水中の拮抗因子について検討を加えた。 1)ぶどう膜炎での上昇が報告されているinterleukin (IL)-2,IL-6,IL-12,tumor necrosis factor (TNF)-alpha,interfron (IFN)-gammaのmRNAの産生を検討した。虹彩・毛様体組織よりtotal RNAを抽出し、これらのサイトカインに対するprimerを用い、RT-PCRを行った。しかし、この炎症モデルの実験マウスは有色で、虹彩・毛様体からのmRNA抽出時、大量の色素が混じったこと、および微量(30眼より5maicro gram)のmRNAしか採れず、RT-PCRによる検出は困難であった。 2)そこで、リボヌクレアーゼプロテクションアッセイによる検討を行った。虹彩・毛様体からのtotal RNAを、TNF-alpha,IL-6,INF-gamma,TGF-beta1,TGF-beta2及びhouse keeping geneに対するプローブとハイブリダイズした。IL-6 mRNAの著明な増加、TNF-alphaの増加を認める一方、TGF-beta mRNAは不変ないしは微増であった。IL-6,TNF-alphaの増加は一過性であったが、TGF-betaは常時発現していた。 3)ELISAアッセイによる前房水中のIL-6,TNF-alphaの蛋白量も増加を認めた。 4)前年度同様、炎症眼の前房水を用いたT細胞増殖反応のアッセイの系で、前房水を抗IL-6抗体により、中和したところ、再び、T細胞抑制が可能となった。 5)以上により、エンドトキシン誘発ぶどう膜炎モデルの前房水では免疫制御因子であるTGF-betaの存在にもかかわらず、局所産生されるIL-6により、T細胞増殖抑制の性質を消失することが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)