ミオシンVIの破骨細胞における機能:細胞内小胞輸送の方向性と波状縁形成のメカニズム
Project/Area Number |
12771108
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional basic dentistry
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
坂井 詠子 長崎大学, 歯学部, 教務職員 (10176612)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | エンドサイトーシス / マクロファージ / 破骨細胞 / フォゴソーム / カテプシンK / 小胞輸送 / ミオシンVI / アデノウイルス / ラテックスビーズ |
Research Abstract |
近年、我が国におい高齢化に伴った骨代謝疾患が重大な問題になっている。破骨細胞は本来正常な状態では骨のリモデリングに必須の細胞であるが、破骨細胞が活性化し、骨形成とのバランスがくずれると、滑吸収が異常に促進し病的な状態を呈する。破骨細胞はマクロファージと近縁の細胞であるが、近年、破骨細胞は部分消化された骨基質たんぱくを取り込み、細胞内でさらに消化することが報告されている。私は破骨細胞にラテックスビーズを取り込ませ、ファゴソームを形成させ、経時的にファゴソームを追跡することで破骨細胞内における骨基質たんぱくの細胞内消化のプロセスの解明と、エンドソーム/ファゴソームシステムが破骨細胞内においてもアクチン/ミオシン系で制御されていることを明らかにした。破骨細胞ではカテプシンKや酒石酸耐性酸性ホスファターゼ、LAMP-1などがファゴソーム形成に伴い集積してくるが、annexinIIは初期のファゴソームにのみ認められ、Rab7やc-Srcは後期には減少する。これはマクロファージのファゴソーム形成とは若干異なり、破骨細胞特有の分子(カテプシンKや酒石酸耐性磁ホスファターゼなど)が破骨細胞のファゴソーム形成に関与していることを示し、それぞれの細胞に特有の異なったファゴソーム成熟システムを持つこと示唆している。またこのファゴソーム形成は骨吸収活性を上昇するRANKLで促進され、反対に骨吸収を抑制するカルシトニンで阻害されることから骨吸収活性を調節する因子によって、このファゴソール形成は調節されることが明らかになった。カルシトニンはアクチンの重合を阻害することから、破骨細胞内でのファゴソームの形成と小胞輸送にはアクチン/ミオシンの小胞輸送のシステムが働いていることが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)