Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Research Abstract |
活性型ビタミンDは生体のカルシウムホメオスタシスを司るのみでなく,細胞の分化増殖に関わるホルモンである.その作用は特異的核レセプター(VDR)が担い,リガンドとの複合体形成が作用発現の引き金になると言われている.活性型ビタミンDは柔軟性が高く,多くの配座を取りうる.特に,6員環構造のA環は2つの椅子型配座間の速い平衡にあり,いずれの構造が受容体結合に関与するのか明らかでない.アナログは生体内のある挙動にスポットを当て,内在性リガンドを扱うだけでは見えない事実を明らかにする.既知の方法では合成困難であるA環アナログをツールとして,ビタミンDの作用メカニズムを探索するため実験に着手した. シンプル,かつ効果の高いアナログとして,A環上1位,2位,3位にメチル基を導入した化合物をデザインした.A環修飾を容易にするために,A環と別途合成したCD環部を後に連結する収束的合成法を用いた.受容体結合時リガンドは,水酸基のconfigurationではなくA環全体として認識されると考える.従って,独自に確立した合成法により,A環上の置換基について可能な立体異性体すべてを合成した.A環配座の固定は1位,又は3位メチル基導入により達成された.VDR親和性を指標に活性を評価したところ,水酸基の立体だけでなくメチル基の位置や立体によっても活性が変化することを見出した.特に,2α位メチル基導入が天然リガンドの活性を増強することが明らかとなった.その根拠は,VDRのX線結晶解析を用いたドッキングスタディによって示された.
|