Research Project
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
1)マウス松果体を用いる分析法の評価平成12年度に本研究課題で開発した方法が実際にマウス組織の内因性メラトニン定量に適用可能であることを示すため、マウス松果体を用いて分析法の評価を行った。ICRマウス松果体を用いて分析条件を検討した結果、酢酸エチルを用いる試料精製と逆相ミクロHPLCを組み合わせることで松果体試料中のメラトニン微量分析を可能とした。本法におけるマウス松果体に対する添加検量線は200amolから50fmolの範囲で相関係数0.999以上の良好な直線性を示し、日内変動は2.1%(RSD)、日間変動は3.2%(RSD)という良好な再現性が得られた。2)マウス松果体及び種々の組織におけるメラトニン動態の解析上記の方法を用い、これまで内因性メラトニン定量が不可能とされていた種々の系統のマウスについて、松果体メラトニン定量を行った。その結果、検討した全ての系統で内因性と考えられるメラトニンが認められ、その含量はICRが16.1fmol/松果体、BALB/cが7.4fmol/松果体、C57BLが6.1fmol/松果体、AKRが18.81fmol/松果体であった。また、AKR系統について松果体メラトニンの概日リズムを検討した結果、明期に最大値、暗期に最小値となるリズムが認められ、これらのマウス中におけるメラトニンリズムが正常な哺乳類とは異なる可能性が示された。
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