Project/Area Number |
12771414
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
中原 努 北里大学, 薬学部, 助手 (10296519)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 網膜 / 弛緩因子 / 血管平滑筋 / 気管平滑筋 / 平滑筋 |
Research Abstract |
目的および方法:網膜から遊離され、網膜循環の調節に関与すると考えられる未知弛緩性物質(網膜由来弛緩因子,RDRF)の存在が示唆されているが、その本体ならびに生理・病態生理的役割は、ほとんど明らかにされていない。本研究では、1)大量の組織量を容易に得ることのできるウシ網膜を用いて、平滑筋細胞に対するRDRFの作用機序と、2)病態動物(糖尿病等)網膜におけるRDRF産生・遊離の量的変遷を明らかにすることから、RDRFの生理的・病態生理的役割の解明を試みた。結果:様々な平滑筋収縮薬で収縮させたバイオアッセイ用のウシ気管やラット大動脈平滑筋標本とウシ網膜をco-incubationするとセロトニンで収縮させた標本においてのみ、再現性のある弛緩反応が観察された。この弛緩反応の大きさは、平滑筋組織と網膜組織との距離に依存して小さくなり両組織間隔が10mm以上になると観察されなくなった。そして、既存の阻害薬/拮抗薬(プロプラノロール、インドメタシン、N-nitro-L-arginine、イベリオトキシン、アパミン、グリベンクラミド等)では影響を受けなかった。ストレプトゾトシン誘発性糖尿病ラットから摘出した網膜組織によるバイオアッセイ標本の弛緩反応は、正常のものと比較して有意な差がなかった。考察:本研究で見出されたRDRFは、非常に不安定な物質であり生化学・薬理学的解析が極めて困難であった。その結果、単離・同定にまで至らなかったが、RDRFの基礎産生・遊離量は、糖尿病時には、変化していない可能性が示唆された。本研究成果は、RDRFが、未知平滑筋弛緩物質である可能性が高いこと、血管だけでなく気管平滑筋に対しても作用を示すことから、新型の循環改善薬や気管支拡張薬となりうる可能性を示唆するものと考えられる。
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