メタロチオネインのストレス系細胞内シグナル伝達調節機構
Project/Area Number |
12771448
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Environmental pharmacy
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
近藤 昌夫 徳島文理大学, 薬学部, 助手 (50309697)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | Apoptosis / cadmium / mercury / zinc / caspase / cytochromec / mitochondria / MAPkinase / Cadmium / apoptosis / cytochrome C |
Research Abstract |
本年度はテトラサイクリン依存的メタロチオネイン(MT)発現系の構築とカドミウム、水銀、亜鉛の細胞死誘導機構の解析を行った。 テトラサイクリン依存的MT発現細胞をRT-PCRを指標にクローニングしたところ、数クローンが単離された。しかしながら、MTの蛋白量を測定したところ、テトラサイクリンによりMTの蛋白質量の制御が行われていなかった。本系に関しては、今後、テトラサイクリン発現系および導入する細胞種の再選定を行う必要がある。 カドミウム、水銀のアポトーシス誘導機構については去年度の結果を踏まえて、ミトコンドリア依存的経路に焦点を当てて解析を行った。カドミウムによるアポトーシス誘導経路における各種caspaseの関与を検討したところ、ミトコンドリア依存的経路のinitiator CaspaseであるCaspase-9が関与していることを見い出した。また、水銀によるアポトーシス誘導経路もカドミウム同様ミトコンドリアを介したcaspaseの活性化が関与している可能性が示唆された。カドミウムと水銀によるアポトーシス誘導におけるミトコンドリア依存的経路の上流の機構をmitogen actlvated protein kinase(MAPK)の一つであるp38MAPKに着目して検討したところ、p38MAPK特異的阻害劑によって水銀のアポトーシス誘導は抑制されたものの、カドミウムのアポトーシス誘導は抑制されなかった。この結果から、両重金属間でアポトーシス誘導においてミトコンドリアの上流の経路が異なる可能性が示唆された。また、細胞内遊離亜鉛とアポトーシス誘導の関連について検討を行ったところ、細胞内遊離亜鉛濃度がある一定濃度に達した時にp38MAPKの活性化に伴うcaspaseの活性化が生じアポトーシスが誘導される可能性が示唆された。この時の亜鉛濃度は生理的条件であることから、亜鉛は生理的状態においてアポトーシスの誘導を積極的に制御している可能性がある。 今後は、MTとの関連を念頭にいれつつさらなる解析を進める予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)