Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
急性相反応蛋白糖鎖構造変化の検出が、炎症の病態解析に有用であるか確認し、炎症の病態を反映する糖鎖構造変化を迅速に測定する方法を確立することを目的として研究を遂行した。平成13年度は、昨年度明らかとした炎症の病態変化に伴い蛋白質結合糖鎖構造変化(α2-6結合したシアル酸を持つアスパラギン型低分岐の糖鎖、糖鎖末端にα2-3結合したシアル酸を持つ糖鎖3本鎖、4本鎖のアスパラギン型複合型糖鎖)を簡便にとらえるためのELISA法の開発を試みた。 ELISA法の開発に先立ち、上記の糖鎖が結合している蛋白質を検索した結果、α1-酸性糖蛋白質、α1-アンチキモトリプシンに多く見られたことより、これらの蛋白質の糖鎖構造変化をとらえる方法とすることとした。ELISA法の測定条件を検討した結果、ブロッキング剤としてはTris-HCl-NaCl緩衝液が、抗体に結合している糖鎖の影響については、過よう素酸処理とレクチンマスクの併用により良好な結果が得られることがわかった。 上記検討したELISA法を用いて、急性相反応蛋白質糖鎖構造が手術後の治癒過程においてどのように変化するか、ConA, DSA, LCA, PHA-L4,PHA-E4,SSA, MAM, AALレクチンを用いて検討した。その結果α1-酸性糖蛋白質ではSSA/ConA比が炎症の極期で低下し、炎症の回復期では上昇した。α1-アンチキモトリプシンでは、SSA/ConA比およびDSA/ConA比がα1-酸性糖蛋白質と同様に炎症の極期で低下し炎症の回復期では上昇した。また、PHA-E4/LCA比では、手術直後に上昇した。以上の結果より、SSA/ConA比およびDSA/ConA比は、炎症の病態把握に、PHA-E4/LCA比は、急性炎症の検出に有用であることが予想された。以上の結果より、急性相反応蛋白質の糖鎖構造解析が、CRPとは異なる炎症マーカーとしての可能性が示唆された。
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