精神科病棟において看護婦・士が隔離の必要性があると判断する状況についての分析
Project/Area Number |
12771531
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Clinical nursing
|
Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 るみ子 福島県立医科大学, 看護学部, 助手 (80315671)
|
Project Period (FY) |
2000 – 2001
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
|
Budget Amount *help |
¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2001: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
|
Keywords | 看護判断 / 保健室 / 判断の基準 / 隔離室 / 保護室 / 患者隔離 |
Research Abstract |
精神科において看護師として5年以上の経験を積み、現在保護室の患者の看護に直接関わっている看護師5名(2施設から選出)を対象に、看護師が隔離の必要性を感じ、その後実際に隔離が開始になった場面について詳しく語ってもらった。インタビューを月1回のペースで1人1〜3回行ったところ、11事例の隔離が必要と判断される状況が語られた。 インタビューで語られた隔離開始前から隔離を必要と判断するまでのプロセスを分析した結果、以下に述べるような3つの特徴的なパターンが明らかになった。まず「最終手段としての隔離」では、患者が何らかの形で訴え看護師が関わり、その関わりの中で判断をして指示の薬を与薬するが、それ以降も患者の状態が変化せずまたは悪化し、最終手段として隔離が必要と判断するものである。次に「問題行動への対応としての隔離」では、患者が暴力や強引に病棟から出ようとするなどの問題行動を起こし、短い関わりの結果隔離が必要であると判断するものである。最後に「患者の意思を重視して関わった結果の隔離」では、患者が何らかの形で訴え看護師が患者の意思を尊重しようとしながら関わる中で、隔離が必要と判断するものである。 なおこれらのプロセスを分析していく中で、看護師は隔離が必要と判断する際に、患者の問題の顕在の仕方、患者の過去のエピソード、患者の疎通性そして看護師自身が感じる限界を共通した判断の基準として用いていることが浮かび上がってきた。そして隔離という場面においても、患者の自律した意思や生活の質(QOL)、患者にとって最良の方法をとること、そして他患者との関係をも守ろうとしており、それらを様々な状況から断念せざるを得ない時ジレンマに陥っている様子がかいま見えた。また全ての事例において、看護師が患者と関わりを持ち続ける中で双方が共同してそのプロセスを辿るという姿勢が伺えた。
|
Report
(2 results)
Research Products
(1 results)