Project/Area Number |
12771533
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Clinical nursing
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
高野 里美 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助手 (60315702)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 集中治療室 / 死 / 患者・家族のケア / 集中治療室看護婦・士 / 困難要因 / 看護経験年数 |
Research Abstract |
全国大学付属病院に勤務するICU看護婦・士1210名に「集中治療室で死を迎える患者やその家族のケアは、一般病棟に比べ困難であると思うか」の質問をし、「はい」と回答した814名(67.3%)にその理由の自由記述を依頼した。自由記述の内容は、既存研究・文献を元に「ICUの環境」「死の様相」「患者の要因」「看護体制」「医師との関係」「ICUの概念との関係」「死の教育不足」「看護婦・士の要因」「時間の制約」「家族の要因」に分類し、集中治療室で死を迎える患者や家族のケアを困難にする要因を分析した。 最も多かった記述内容は、オープンスペースで個室がない、医療機器が多い、面会制限がある、そばに回復していく患者がいるなどの「ICUの環境」に関する内容で430名であった。次いで、緊急入室や処置が多いことで、家族と接する時間が少ないなどの「時間の制約」に関する内容で285名、急死、予期せぬ死、治療の甲斐がなく迎える死が多いなどの「死の様相」に関する内容で223名、家族の動揺が大きい、死の受容が困難であるなど「家族の要因」に関する内容が221名、ICUでは最後まで治療優先される、救命が目的の医学であるなど「ICUの概念との関係」に関する内容が90名、患者が意識不明のまま入室し意思の確認ができないなど「患者の要因」に関する内容が73名、看護婦・士自身が死に対して戸惑いが強く死を迎える患者や家族のケアは苦手であるなど「看護婦・士の要因」の内容が16名、ICUでは死を迎える患者や家族のケアを行う看護体制が整っていないなど「看護体制」に関する内容が7名、医師の不在のことが多い、担当医制でないなどで、協力が得られないなどの「医師との関係」に関する内容が4名、「死の教育不足」2名、「その他」7名であった。その他では、「ICUでどこまで終末期のケアを行うのか、余命や終末期の判断が難しい」などがあった。 これらの困難要因に対しては、看護婦・士を含めた医療者自身が「ICUであっても、亡くなった患者やその家族にとっては死を迎える場所である」という認識を持ち、これらの課題に取り組んでいくだけでなく、看護婦・士自身の心理的危機やストレスに対し対策を考えることや、ケアにおける看護婦・士自身の満足度を高めることも必要であることが示唆された。
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