運動に伴う筋損傷後の神経筋接合部形態変化と筋線維タイプ移行の可能性に関する研究
Project/Area Number |
12780025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
体育学
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
西沢 富江 鳥取大学, 医学部, 助手 (30283980)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 筋損傷 / 神経筋接合部 / 下り走 / 一次シナプス間隙 / 二次シナプス間隙 / 筋再生 / 神経筋接合部形態変化 / 筋線維タイプ移行 |
Research Abstract |
本研究では、損傷筋線維上の神経筋接合部(NMJ)の構造変化を組織化学的に観察し、運動による筋損傷が神経筋接合及び神経終末に及ぼす影響を検討した。実験には生後10週齢のF344系雄ラットを用い、被験筋は長指伸筋とした。平成12年度は、モデル実験として薬物を用いて筋を損傷させ、筋損傷時のNMJの形態変化を観察した。薬物投与に伴い損傷した筋線維上ではNMJ構が破壊されたが、時間経過に伴い再形成され、筋線維と再接合を起こす可能性が示唆された。平成13年度は、運動による筋損傷が脱神経、神経筋再接合を起こすか否かを検討した。筋を損傷させるために小動物用トレッドミルで、下り走トレーニング(傾斜-9度、分速25m、5分間走行と3分間休息を1セットとして18セット)を行った。下り走4時間、8時間、12時間、1日、2日、3日、6日、14日後に、ラットを安楽死させ物理的刺激を与えないように筋を摘出した。下り走後の形態観察ではモデル実験と比べた場合、運動による筋損傷率は低く、回復が早かったためNMJ構造の変化が観察された像は少なかった。NMJの光学顕微鏡観察では、筋損傷後、神経終末が運動終板付近に遊離し、その後、運動終板に接地している像が観察された。核が縦一列に並んだ再生筋線維上にはNMJが観察された。筋損傷により神経筋接合は一時的に解離するが、筋線維の再生に伴い、神経筋は再接合した可能性が考えられた。NMJの電子顕微鏡観察では、3日後に二次シナプス間隙膜の損傷が観察され、その後、一次シナプス間隙の形成が観察された。時間経過に伴いNMJの異常形態は観察されなくなった。本研究の結果、下り走のような激しい運動は、筋損傷やNMJの損傷を引き起こすことが示唆され、運動による筋損傷は神経筋接合部において、脱神経を引き起こし、支配神経の変換を可能とするため、筋線維タイプ移行を引き起こす可能性が考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)