アメリカにおける「多文化的歴史教育」の研究―社会史に基づく内容構成論を中心に―
Project/Area Number |
12780145
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教科教育
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
桐谷 正信 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (90302504)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 多文化教育 / 社会科教育 / 歴史教育 / 社会史 |
Research Abstract |
本研究は,アメリカにおける「新しい社会史」に基づく「多文化的歴史教育」を思考モデルとし,多様な民族・文化に公正に配慮した歴史教育の内容構成の理論的枠組みを考える視点を抽出することである。そのため,昨年度の研究活動の成果を基に,アメリカで開発・実践されている「多文化的歴史教育」カリキュラムの収集・分析を行った。特に,ニューヨーク州とカリフォルニア州の社会科スタンダードとフレームワークにおける多文化的歴史教育を分析した。 ニューヨーク州のカリキュラム開発の特徴は以下の3点にまとめられる。第1点は,カリキュラム開発の前提として,合衆国とニューヨーク州という社会・地域をどのような社会・地域と捉えるかという点について徹底的に検討し,その上でカリキュラム開発を行っている点である。ニューヨーク州の公教育における歴史学習は,歴史学の成果に基づきながらも,あくまでも「アメリカ人の育成」を最終的な目的としている。ニューヨーク州は,ニューヨーク州とアメリカを一定の留保と対立意見を付しながらも多文化社会と規定し,「多文化社会アメリカ・ニューヨーク州の歴史」の認識を目標としたカリキュラム開発を行っている。第2点は,カリキュラム開発の基本原理として,次にスタンダードを明確に設定している点である。上記のように全米のスタンダード運動の影響下でのことであるが,K-12学年を明確で一貫した歴史教育観で貫き,12学年の学習の修了時に各自が「多文化社会アメリカにおけるアメリカン・アイデンティティ」を認識できるプログラムとして構想している。第3点は,K-12学年を通した合衆国史学習の目標・内容・方法を構造的に示すことによって,一貫した目標を段階的に達成できるように,スタンダードの下位にキー概念と達成指標を示している点である。12年間を3段階に分け,以下のような構図で合衆国史学習を構成している。 【table】
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)