パラ言語及び非言語的側面から見た日本語学習者のあいづちに関する研究
Project/Area Number |
12780164
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Japanese language education
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
戸田 貴子 (ナイト 貴子) 早稲田大学, 日本語研究教育センター, 助教授 (30292486)
|
Project Period (FY) |
2000 – 2001
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
|
Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
|
Keywords | 日本語教育 / あいづち / 談話分析 / 声分析 / ポーズ / 発話機能 / 音声分析 / 発話速度 / 発話の重なり |
Research Abstract |
本研究の目的は、談話におけるあいづちのパラ言語的側面を明らかにし、日本語学習者のための発音指導シラバスにフィードバックすることである。前年度は基礎データとなる日本語話者の談話分析及び音声分析を中心に行ったが、本年度は学習者データの分析を行い、研究成果をケンブリッジ大学におけるヨーロッパ日本語教育シンポジウムをはじめ、学会で発表した。 発話時間、ポーズ、発話速度、あいづちの使用頻度およびタイミングに注目し、NS-NS間とNS-NNS間の談話の比較をしたところ、日本語学習者の談話では、間の取り方が不自然な場合が見受けられ、違和感を感じたり、会話がうまく進まないことがあるという印象を与える主な原因は、以下の点にあると言えることが分かった。 1.NS-NS間のごく自然な会話では、発話時間に対する「共話における間」の割合が小さかったが、NS-NNS間では大きかった。共話においては相手の発話権に配慮しつつ、発話の重なりを積極的に捉えていく姿勢も必要であると言える。 2.NNSの発話速度はNS-NS間に比べ約2倍遅かった。場面によって適切な発話速度を考えつつ、口頭表現練習を行う必要があろう。 3.あいづちの使用頻度については、NS-NNS間で偏りがあった。NNSの聞き手によるあいづちの使用頻度は低く、非言語的なあいづちを行っているとしても、このような場面では、ある程度の音声的なあいづちの挿入が望まれる。 4.NNSによる発話では、不必要なポーズが挿入されることが多く、文節末のポーズが短いため、聞き手にあいづちのタイミングを失わせてしまうという問題があった。 5.NNSの発話は全体のピッチ幅が狭い上、ピッチの下降が見られないため、NSの聞き手にとってあいづちがうちにくいという傾向が見られた。 日本語教育の立場からは、文法構造や意味のまとまりに注意しつつ発話できるように口頭表現練習を行い、適切な箇所でポーズをとるよう指導することにより、聞き手にもあいづちをうつタイミングを与え、より共話的な談話に近づけることができるのではないかと考えられる。 今後の課題は、母語別日本語学習者による談話と母語環境における談話との比較および非言語行動も調査の対象にした分析を行うことである。
|
Report
(2 results)
Research Products
(8 results)