Research Project
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
今年度は以下の2つの研究を行った。<研究I> 成人日本語学習者のテンス・アスペクトの習得に関する縦断研究1.九州大学に在籍する留学生の中から、日本滞在歴1カ月以内で、母国での日本語学習歴が3カ月以内の日本語学習者の中から、今後2年以上九大に在籍する予定の中国語話者1名、韓国語話者1名を選び、調査への協力を依頼した。2.10日に1度の間隔で、毎回およそ1時間のインタビューを行い、発話データの収集を行った。(インタビュー内容は被験者の許可をとった上ですべて録音・録画した)3.データはすべて文字化をした。<研究II> 学習者の母語や学習環境の違いがテンス・アスペクトの習得に与える影響に関する研究1.九州大学留学生センターで実施している初級日本語クラスの学習者全員に「10年前の私、今の私、10年後の私」というタイトルで作文を書かせてデータの収集をした。2.同様のデータを2人の研究協力者を通じて、中国国内の大学と韓国国内の大学でも収集した。3.収集したデータを研究Iと同様にすべて文字化を行った。※二つの調査を通じて収集したデータは、ほぼ全てコンピューターへの入力作業は終了し、現在は調査結果の分析に入っている。今後はまず、前回の研究で立てた仮説を検証し、その上で(1)横断データで観察された発達順序が縦断研究でも同様に観察されるのか、また(2)学習者の母語や学習環境の違いは発達順序に影響を与えるのか、という2点について検証を行う予定である。