Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
申請時の研究実施計画にもとづいて研究を行なった.以下は本年度の研究実績である. 1.ソフトウェアモデルの改良:実験から得られた知見をもとに前年度設計したソフトウェアモデルの改良を行なった.具体的には,実行環境に対するマルチメディアアプリケーションの動的適応に要求されるリアルタイム処理をより安全に実現する機構を設計・強化し,モデルに導入した.この機構により,リアルタイムな動的適応に失敗した場合でも,その失敗を検出して適切な処理を行なわせることが可能となった.このような実行環境に対するアプリケーションのリアルタイムな適応動作を柔軟かつ安全に実現するためのモデルはこれまでにあまり例がない.この研究成果は論文(次頁参照)としてまとめられ,国際会議で発表された. 2.プログラミング言語処理系(プロトタイプ)の改良:研究代表者が設計・実装している言語LEAD++処理系(Javaの前処理系として実装されているプロトタイプ)に,上記1で改良したソフトウェアモデルの一部の機構(具体的には,適応の戦略にもとづく適応動作のアトミックな実行支援機構など)を実装した. 3.動的適応可能なコンポーネントウェアの安全な構成方式の考案:上記1で述べたソフトウェアモデルをコンポーネントウェアに適用し,その安全な構成方式を示した.複数の独立したコンポーネントの適応動作が互いに干渉し合い,意図した適応動作を実現しない可能性がある.マルチメディアアプリケーションは複数のコンポーネントから構成されることが多く,本研究のモデルにもとづいてコンポーネントウェアの適応動作が安全に実現できることを示した意義は大きい.本研究の成果も論文(次頁参照)としてまとめられ,国際会議で発表された. 4.アプリケーションの作成と実験:本研究では,提案するソフトウェアモデル・言語の実験環境としてモバイルコンピューティングを想定している.本年度も前年度に準備した実験プラットフォームを用いて実験を行なった.具体的には,モバイルコンピューティングで多用される携帯情報端末Plam上に,本研究で実装したプロトタイプ処理系を用いてJavaアプリケーションを作成し,本研究のアプローチの有効性を確かめた.この実験結果はモデルの改良にフィードバックされた.
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