Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Research Abstract |
本研究では,計算機クラスタ環境で効率のよい並列処理を可能とするプログラム並列化手法,タスク実行制御手法を開発することを目的とする.タスク間データ・パイプラインによりタスク間で共有されるデータを効率よく転送し,最大限の並列性が抽出されるよう,プログラムを並列化しタスクを生成する手法と,タスクの実行を制御する手法について研究する. 今年度は,並列化コンパイラの実装を容易にするための研究をすすめた.一般に,並列化コンパイラの構築は困難な作業であり,様々な並列化アルゴリズムを容易に開発・検証する環境が望まれている.そこで,本研究ではプログラム並列化という並列化コンパイラの行う作業に対して,様々な並列化アルゴリズムにおける共通部分,非共通部分を整理し,並列化コンパイラの枠組みを定めた.そして,この開発環境を並列化コンパイラ・ツールキットとして開発した.並列化アルゴリズムの共通部分とは,並列化アルゴリズムの差違によらずに必要な依存関係解析処理や,タスク生成処理である.それに対し,非共有部分は検証する並列化アルゴリズムを表現する根幹部分である.本研究では,この非共有部分を並列化ポリシと呼ばれるルール群で表現することで,様々な並列化アルゴリズムを容易に実現することが可能となっている. そして,並列化コンパイラ・ツールキットを用いて,複数のループ文をパイプライン的に実行し並列性を抽出するためのプログラム解析として,ループ文アクセス・パターン解析を提案した.アクセス・パターン解析では,ループ文中で並列データをどのように操作するかを解析することができる.ループ文の実行中に操作される配列データの領域,イタレーションの実行に伴う操作領域の移動を解析することができる.このアクセス・パターン解析を用いることで,複数のループ文間でデータ・パイプラインを実現し,効率よい並列処理が可能となった.
|