Research Abstract |
平成13年度は,シロクローバとイネ科雑草の混合した植生の画像から,380mm×250mmのグリッド毎に「シロクローバ優占」「イネ科雑草優占」「裸地」のいずれかに分類するという具体的な問題に対して,次の方法で判別実験を行った. (1)多重解像度の画像からテクスチャに含まれる微小構造要素の種類と大きさにより特徴量を得る. (2)上記の中から判別に有効な特徴を判別分析によって選択し,判別関数を構成する. 判別実験の結果から,サンプル画像自体では98%の正答率を得た.またシロクローバとイネ科雑草が混在するテスト画像では,88%が人の目視判定と一致した.一致しないものは,ほぼ群落の境界に由来するものであった.さらに別状況下のシロクローバとイネ科雑草の画像に対しても,判別関数はそのまま有効であった. これにより,形状通過型フィルタを多重解像度画像に適用することで,高い判別力が得られることが分かった. また,形状通過型フィルタが着目している微小形状要素を自在に組み合わせるテクスチャ合成実験で実際に158枚の自然なテクスチャの形状特徴を再現した.この実験では,同じ対象画像について複数の合成画像を生成し,アンケートによって視覚的に似ているかどうか確認したところ,過半数が似ていると判断した.しかし,無関係なテクスチャから採取した形状要素から合成された画像と,原画像そのものから採取した形状要素を使って合成した画像では,後者の方がより原画像に似ていることが分かった. このことから,ここのテクスチャを特徴付けるような局所的な特徴が,形状特徴のほかにも存在していることが明らかになった.今後の課題として,このような局所特徴を検討することが挙げられる
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