Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は,画像や言語などの複数のメディアを用いたユーザとシステムの協調的インタラクションに基づいて,そのユーザの過去の要求等を考慮した上で,抽象的かつ暖昧な要求を理解することであった.このための具体的事例として,ビルや地下街などの方向感覚や上下感覚を喪失しやすい三次元構造物を対象として,我々人間をナビゲーションするシステムを取り上げ,そこにおける人間-計算機間のインタラクションについて検討を加えた.まず,歩行者ナビゲーションにおいて最も基礎的な部分を担う経路の提示過程において,ユーザとシステムのインタラクションを通じて現在位置を同定しつつ目標地点へ誘導する枠組を提案した.人間は元来,環境認識能力に非常に優れる一方,システムはそれを苦手とするが,両者をインタラクティブに組み合わせることで理解のしやすいナビゲーションが実現できることを示した.また,道標に関するユーザの認識の仕方を,ナビゲーション過程でシステム側が取得し,以降におけるナビゲーションに反映可能な仕組みを提案した.さらに,ユーザによる「食事がしたい」等の暖味な要求に対して,ナビゲーションの対象となる環境に関する情報,およびユーザの趣味・嗜好などに関する情報に基づいて,それらを総合的に満たす目的地を推論し,ユーザ・システム間のインタラクションによって目的地を決定する手法を提案した.ここでは,実存する地下街の情報をもとにシミュレーションシステムを構築し,その上でユーザによる暖昧な要求に対して具体的目的地を提示する実験を実施し,個人の嗜好を反映することで,ユーザの望みに沿った目的地が提示できることを示した.これはすなわち,対象に関するある程度の知識をシステム側が保持することで,ユーザによる抽象的な要求を理解するための道筋を示すものである.
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