Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Research Abstract |
本研究では,実用的規模の言語テキストに対して,これまでよりも深いレベルの意味理解を高性能に行うことを目的として,名詞の意味・用法をより深いレベルで記述した意味辞書を,大規模テキストデータから半自動的に構築する手法の研究を行った.本年度は,大規模な名詞意味辞書の存在が本質的に必須となる言語理解の各過程において,名詞意味辞書がどの程度有効であるかを評価・検証し,さらに言語理解の精度が最適化されるように,名詞意味辞書の記述の一般化の度合を柔軟に調整する手法の研究を行なった.本年度の研究項目は次の2点である. 1.テキストの語彙的結束性に基づく語の意味的曖昧性の解消の過程において,名詞意味辞書の有効性を評価・検証した. 2.照応・指示・省略などの文脈理解の各過程において,名詞意味辞書の有効性を評価・検証した. まず,第1点については,統計的手法により学習された意味的曖昧性解消規則を適用する過程において,名詞意味辞書の有効性を評価・検証した.従来,統計的手法による意味的曖昧性解消の研究においては,テキスト中の単語など表層的手がかりのみに基づいて意味的曖昧性を解消していたが,本研究では,意味的曖昧性解消の手がかりとして名詞意味辞書の記述を利用することにより,曖昧性解消の性能がどの程度向上するかを評価・検証した. 第2点については,複数の文からなるテキストについて,テキスト中の名詞の意味記述を名詞意味辞書から検索し,これらをネットワーク状に連結することにより,まず,テキスト全体の語彙的結束性を表現した.そして,語彙的結束性に基づく語彙的制約と談話構造上の制約を統合的に考慮することにより,照応・指示・省略の参照先を決定する文脈理解モデルを構築し,その性能を評価した.
|