多環芳香族炭化水素ニトロ誘導体の発生実態の究明およびその毒性影響評価
Project/Area Number |
12780410
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
環境影響評価(含放射線生物学)
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
中尾 晃幸 摂南大学, 薬学部, 助手 (20288971)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 多環芳香族炭化水素 / ニトロ多環芳香族炭化水素 / 強変異原性 / 廃棄物焼却施設 / 廃棄物問題 / ニトロ化合物 / ダイオキシン類 / 変異原性 / 環境汚染 |
Research Abstract |
現在、環境汚染にまつわる社会問題の一つにダイオキシンが上げられ、その軽減対策による高温焼却は窒素酸化物(NOx)の増加や多環芳香族炭化水素ニトロ誘導体(NO_2-PAHs)の生成を起こし二次汚染につながることは予想されることである。このNO_2-PAHsは極めて強い発ガン性、変異原性および遺伝毒性を持つことから、これら化合物は今後の廃棄物の焼却問題において、極めて重要な位置づけにあると言っても過言ではない。本研究において廃棄物焼却施設から採取された6施設分の排ガス試料を用いて、抽出、精製を行い高分解能GC-MSによりNO_2-PAHsの測定を行った。その結果、Nitronaphthalene、Nitrophenanthrene、NitrobiphenylおよびDinitropyreneが検出された。一方、変異原性試験(Ames testやumu test)でのこれらNO_2-PAHsの毒性評価は多数行われているが、ダイオキシンの毒性発現メカニズムの一環と考えられるAh(芳香族炭化水素)レセプターへの作用力については未解明であることから、Ahレセプター結合能を検討した。現在入手できる29種のNO_2-PAHsをスクリーニングしたところ、NitrochryseneやNitrobenzo(a)anthraceneで強力な結合能が観察され、ダイオキシン類とともにその汚染実態の究明が必要である化合物群であることが判明した。 一方、焼却施設排ガス中の質量スペクトルを検索し、新規環境汚染物質の検索を行ったところ、ダイオキシン骨格の酸素が硫黄に置換したDibenzothianthreneやDibenzothiopheneが確認された。さらに、塩素化ダイオキシンの一部の塩素が臭素に置換したダイオキシン類縁化合物も確認され、これからの環境汚染問題で興味ある結果となった。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)