有機塩素化合物による地下水汚染のバイオレメディエーション効果の予測モデルの開発
Project/Area Number |
12780423
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
環境保全
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
惣田 訓 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30322176)
|
Project Period (FY) |
2000 – 2001
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Keywords | バイオレメディエーション / トリクロロエチレン / 地下水 / 数値シミュレーション / 共代謝 / フェノール / 外来細菌 / 有機塩素化合物 / シミュレーション |
Research Abstract |
日本では、トリクロロエチレン(TCE)による地下水汚染が多数報告されている。その浄化方法の一つとして、微生物によって地下水を地中の現位置において分解するバイオレメディエーション法が注目されている。しかしながら、この方法は、物理化学的な浄化手法と比べて、その効果や所要期間が予測しにくい欠点がある。 本研究では、TCEに汚染された地下水の現位置バイオレメディエーションの浄化過程を模擬する2次元数値モデルを構築し、その効果の予測手法の確立に貢献することを目的とした。汚染塊から地下水へのTCEの混入過程、地下水による移流・拡散過程に加え、微生物による生分解過程をモデルに組込んだ。TCEは通常の状態では生分解されにくく、フェノールのような芳香属化合物を分解する微生物酵素によって、副次的に分解される(共代謝)。そこで、生分解過程には、フェノールを地下水に添加することで土着細菌を活性化し、さらに分解効率の高い外来細菌を導入することを想定した。 フェノールは、TCEほどでもないが、毒性を有しているため、TCEの共代謝を促し、その後は速やかに分解される最適量を添加する必要がある。また、外来細菌は,病原性のない安全なものを用いても、使用後は速やかに死滅するようにその挙動を制御しなければ、汚染環境周辺の住民の合意(パブリックアクセプタンス)が得られない。シミュレーションによってフェノールや外来細菌の添加量によるTCEの濃度変化や汚染範囲への影響、フェノールや外来細菌の残存性を示し、最適な浄化方法を模索した。 結論として、TCEに汚染された地下水の現位置バイオレメディエーションの数値シミュレーションモデルの基礎を構築することができた。複雑な実現象との比較によるモデルの検証や、未解明の部分が多い生分解過程や、それを担う微生物の挙動のモデル化の再検討が今後の課題として挙げられた。
|
Report
(2 results)
Research Products
(1 results)