CaMキナーゼホスファターゼの活性制御機構と生理機能の解明に関する研究
Project/Area Number |
12780462
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional biochemistry
|
Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
石田 敦彦 旭川医科大学, 医学部, 助手 (90212886)
|
Project Period (FY) |
2000 – 2001
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | プロテインホスファターゼ / プロテインキナーゼ / CaMキナーゼホスファターゼ / 脱リン酸化 / ポリカチオン / 多機能性カルモデュリン依存性プロテインキナーゼ / 活性化機構 / 核タンパク質 / 生化学 / 酵素反応速度論 / 合成リン酸化ペプチド / 基質特異性 / カルモデュリン依存性プロテインキナーゼ |
Research Abstract |
CaMキナーゼホスファターゼ(CaMKP)は多機能性CaMキナーゼを脱リン酸化して制御すると考えられる新規プロテインホスファターゼである。本酵素はポリカチオンによって顕著な活性化を受けるので、この活性化の機構について検討した。32PでラベルしたCaMキナーゼIV(CaMKIV)を基質として各種poly-L-Lys(PLL)の活性化能を比較したところ、PLLの分子量の増加とともに活性化能は増大した。この活性化能は高濃度のNaCl存在下では著明に低下した。また、プロタミンやヒストンなどの塩基性蛋白質にも活性化能が認められた。表面プラズモン共鳴法によってPLLとCaMKP並びにPLLとCaMKIVの相互作用を調べたところ、CaMKPとCaMKIVは何れもPLLに極めて強固に結合することが判明した。次にCaMKPを固定化した樹脂を利用してCaMKIVの結合実験を試みたところ、CaMKPと高分子量PLL共存下でのみCaMKIVの樹脂への結合が認められた。予めCaMKP, PLL, [32P]CaMKIVの三者をプレインキュべートし、順次これを希釈してホスファターゼ活性を測定すると比活性は希釈倍率に依存せず、ほぼ一定の値を示した。従ってこの三者は強固な複合体を形成しているものと考えられる。更にCaMKPの一次構造中101-109に存在するGluクラスターを削除したミュータントを作製して調べたところ、このミュータントではPLLによる活性化、及びマンガン存在下におけるPLLへの結合能が完全に消失していた。以上の結果からポリカチオンによるCaMKPの活性化にはポリカチオンを介したCaMKPと基質タンパク質との強固な複合体形成が重要であり、CaMKPの101-109のGluクラスターがこの活性化に必須であることが強く示唆された(論文投稿準備中)。 また、ヒトのCaMKPはラットCaMKPと79%のホモロジーがあるが、このヒトCaMKPの配列を用いてデータべースをブラストサーチしたところ、ヒトCaMKPと64%のホモロジーのある領域を有する新規ホスファターゼをコードするcDNAクローンが見出された。この酵素(CaMKP-N)は脳に特異的に発現しており、また細胞内では核に局在することが判明した。cDNAをSf9細胞にて発現させて得られた部分精製酵素を用いて、この酵素の生化学的性質を調べたところ、基質特異性や金属・ポリカチオン要求性などの点でCaMKPと類似した性質を示すことが明らかとなった。また酵素のC末ドメインに核局在シグナルが存在することも判明した。CaMKPとCaMKP-Nは組織分布が全く異なるので、両者は何らかの相補的な役割を果たしている可能性が考えられる。
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)