Project/Area Number |
12780603
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neuroscience in general
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
廣野 守俊 早稲田大, 助手 (30318836)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 連合学習 / 小脳 / 瞬目反射学習 / 長期抑圧現象 / ホスホリパーゼC / 代謝調節型受容体 |
Research Abstract |
小脳に非常に強く発現する酵素、ホスホリパーゼCβ4(PLCβ4)の小脳連合学習系における役割を明らかにするため、この遺伝子欠損マウスを用い、瞬目反射学習とその基礎メカニズムと考えられている小脳長期抑圧現象(LTD)に与える影響を検討した。その結果、 1.平行線維-プルキンエ細胞間の興奮性シナプス後電流(EPSC)の電流波形、つまり、立ち上がり、立ち下りの時定数に関し、野生型と欠損型では有意差はなかった。 2.2回刺激によるEPSCの増大の割合にも相違がないことから、この欠損型マウスでは、平行線維-プルキンエ細胞間の速通性のシナプス伝達には異常がないことがわかった。 3.イオンチャネル結合型グルタミン酸受容体のアゴニストであるAMPAを投与し、Ca^<2+>上昇を測定したところ、野生型、欠損型で違いはなかった。これはAMPA型受容体チャネルやCa^<2+>チャネルの働きに異常がないことを示唆した。 4.代謝調節型グルタミン酸受容体の1型(mGluR1)を活性化したところ、欠損型では、小脳の前葉(第1から第6小葉)ではほとんどCa^<2+>応答が見られなかったものの、後葉では第10小葉に近づくにつれCa^<2+>応答が大きくなることがわかった。 5.ウサギの脳破壊実験では、第6小葉が瞬目反射学習に重要であるという報告がなされている。そこで、第6小葉を中心にLTD形成を調べたところ、mGluR1刺激応答を示さない細胞(全体の80%)ではLTD形成が有意に阻害された。同様のLTD形成阻害は前葉でみられた。 6.PLCβ4遺伝子欠損マウスでは、瞬目反射学習に障害が見られた(東京大学大学院薬学系研究科神経生物物理学教室との共同研究)。 以上より、瞬目反射学習には第6小葉を含めた小脳前葉でのLTD形成が必要であり、PLCβ4は前葉LTDに必須の分子であることがわかった。これらの結果は、本年度の日本神経科学大会および北米神経科学大会で発表し、現在論文を投稿中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)