障害者自立概念のパラダイム転換に基づく地域福祉システム構築に関する研究
Project/Area Number |
12871029
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
社会学(含社会福祉関係)
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Research Institution | Toyo University (2001-2002) Aichi Mizuho College (2000) |
Principal Investigator |
吉川 かおり 東洋大学, 社会学部, 助教授 (90309013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 正幸 佛教大学, 社会学部, 教授 (00268054)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 障害者 / 自立概念 / 地域福祉システム / トライ&エラー / ライフステージ / 自立支援 |
Research Abstract |
本年度は、障害者自立概念についての総合的検討を行うこと、自治体(東京都および大阪府を予定)の障害者施策の現状と課題を調査し、施策がどのような障害観・自立観に基づいて立案されているのかを検討すること、それらを踏まえて、新しい障害者自立観に基づいた地域福祉システム構築の方向性と具体化の方法について考察することを目的として研究を行った。 結果は、次の通りである。 1.既存の障害者「自立」概念は、特定の障害種別・障害程度を想定して考案されたものであり、全ての障害者を対象としたものには成り得ていない。一部の研究において、全障害者を包括する自立観が提示されているものの、定義の抽象度が高く、地域福祉システムとして具体化しにくいものとなっている。 2.東京都および大阪府の施策に見られる障害者「自立」観においては、「自立」がどのような状態であるかが明確でなく、単なる目標概念としてのみまたは、狭義の自立(住居・経済状態の自立)概念として用いられている場合が見られた。 3.そこで本研究においては、新しい障害者自立観を次のように定義する事を提案する。a:障害者の「自立」を、全ての障害者に共通の課題として捉える際には、「人間らしく生きる」ことが自立であると定義しなおす必要性がある。b:「人間らしく生きる」とは、エラーをする(間違う)事が許容され、かつ再トライするチャンスのある生活であると解釈できる。よって、地域福祉システムを構築する際には、物事にトライするチャンスの保障、トライした結果を支援(言い換えれば、試行錯誤とその結果の支援)するシステム作りが重要となると考えられる。 上記1.および3.については、東洋大学社会学部紀要(40-2号,2003)に検討結果を報告した。2.については、都道府県単位だけでなく市町村単位での検討も必要であることが判明したため、引き続き調査を行い、詳細を検討する予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)