Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 泰史 早稲田大学, 理工学部, 助手 (50329108)
落合 啓之 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (90214163)
牛島 顕 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (50323803)
鈴木 達夫 早稲田大学, 理工学部, 助手 (70318799)
筧 三郎 立教大学, 理学部, 講師 (60318798)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2000: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Research Abstract |
今年度は,結び目が(電磁)流体力学などにどのように現れるかについて研究を行った.どのような結び目も,ひもの交差を許せばほどけることが容易にわかる.この事実を使うことによって任意の結び目が渦流として表されることが知られている.渦流を決定する方程式を考察することによって,結び目の(原理的には全ての)位相的な性質が得られるはずであるが,今のところ知られているのは「ねじれ」を示す量くらいである. 一方,結び目理論の有限型不変量(Vassiliev不変量)の言葉で言うと,「ねじれ」は最も簡単な1次の不変量とみなすことができる.現在2次以上の不変量も様々な視点から考察が続けられており,研究代表者および研究分担者もこの方面での貢献が多い.また,有限型不変量は,Kontsevich積分を通して量子不変量とも関係が深く多くの研究者の注目を集めている. そこで今後の研究課題として,次のようなことが考えられる. 1.渦流の立場から2次以上のVassiliev不変量を定義できないか.また,それらに対する流体力学的観点からの意味付けができないか.他の量子不変量ではどうか. 2.結び目解消数(上述のような,結び目をほどくためのひもの交差の必要最小数)を渦流の言葉で説明できないか.(高分子化学や生物学(DNA)においても結び目解消数が興味をもたれていることに注意.) 3.3次元多様体の研究,に応用できないか.(任意の3次元多様体は結び目・絡み目を使って記述できることに注意.) 残念ながら新しい結果を得るまでには到らなかったが,今後の研究課題が明確になったという意味で実りある研究であった.
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