Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
本研究に際しては,各研究分担者は密接に連絡を取り合いながら各々が独自のテーマを研究するという形態をとった.実施結果は以下の通りである. 若野は,二次元弾性体中の曲線亀裂先端での応力集中現象の数学解析と数値解析について,二次元「全平面」内の亀裂問題に対して得られていた結果が二次元「有界領域」内の亀裂問題についても同様に成り立つことを検証した. 日野は,一般の局所Dirichlet形式に付随するMarkov半群に関して,積分化されたVaradhan型の短時間漸近挙動について研究を行い,極限が内在距離を用いて表現できることを証明した.系として,フラクタル集合上の対称拡散過程についてwalk次元の評価式を得た.(J.A.Ramirezとの共同研究) 重川は,半群の優評価定理と,交換定理(あるいは交差定理)について主に研究してきた.さらにその応用として,Riemann多様体上でのLittlewood-Paleyの不等式の証明や,L^p乗法作用素定理などの証明を与えた. 熊谷は,空間内に複雑な系が可算無限個存在し,それぞれの系については熱伝導に関する情報がある程度分かっているようなモデルについて,各々の系にしみ込む拡散過程を構成し,その熱核の短時間挙動についての詳しい評価を得た. 渡辺は,WalshのBrown運動勲に関連して,Riemann面上のBrown運動の道に沿った有理型微分形式の積分(Abel積分)の漸近挙動について研究した.また,Tsirelsonが確率過程の表現の問題に関連して導入したノイズの概念に関し,Fellerの1次元拡散過程から比較的容易に構成出来るblack noiseの例を与えた.
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