Project/Area Number |
12874027
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Global analysis
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
宮川 鉄朗 神戸大学, 理学部, 教授 (10033929)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 賢次 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (40322200)
ROSSMAN Wayne 神戸大学, 理学部, 助教授 (50284485)
|
Project Period (FY) |
2000 – 2001
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | 非圧縮流体の運動方程式 / 初期値境界値問題 / 安定性 / 漸近挙動 / Besov空間 / 時空ノルム評価 / 特異極限 / 初期値問題 / 特異点 / 渦運動 / 平均曲率 / 指数 |
Research Abstract |
代表者宮川は全空間と半空間において非圧縮粘性流体の方程式の解の時空漸近形を考察し、空間無限遠方での挙動にある拘束条件を課した場合に、解がガウス型関数を用いて漸近展開できることを示した。またこの結果を用いて一般の弱解に対してエネルギー減衰率の下限の存在を示し、それを越える減衰率を持つ解は必然的にある種の対称性を持つこと、またその対称性の形は全空間の場合と半空間の場合とでは異ることを示した。この考察では、Besov空間における種々の線形積分作用素の実解析的性質が有効に用いられた。また全空間の場合に、対称性を持つ解の減衰率が従来の予想より大きいことを示した。この中間の減衰率を持つ解の存在・非存在についての研究は、今後の課題である。他方半空間の場合には、展開第一項が初期値と解自身の相互作用の形で記述されるため、得られた最適な減衰率を持つ解の存在が、まだ明示的には知られていない。その一方で、その「最適減衰率」を越える解のクラスは容易に構成できる。全空間と半空間の流れに見られるこれらのギャップの由来の解明が、今後の課題である。 さらに代表者は、上の結果を外部領域の流れに拡張するため、外部問題の解のモーメントの評価を試み、線形放物型方程式の解の正則性に関する最新の結果を用いて、ほぼ満足できる評価式を導いた。これを用いることで、外部領域の流れの漸近挙動を直接調べることが可能になり、展開第一項が一般に可積分関数ではなく、かつその係数が物体に働く抗力を表すことが示された。この事実は定性的にはすでに知られていたが、具体的な関数を用いて主要項を表示したのはこれが最初である。この結果については現在論文を執筆中である。 分担者中西は、相対論的場の量子論で重要な非線形分散型波動の漸近挙動を研究し、局所相互作用、非局所相互作用の双方の場合に、非線形項の影響を明示する形での非相対論的漸近形を導き、それが非線形のSchrodinger方程式に支配されることを示した。二次の相関数を持つ振動積分作用素の漸近展開を用い、時空両方向での解の挙動を精密に測るために、解の挙動の特性を考慮しつつ、その存在領域を2進分解し、最後にその総和をとって時空可積分性を示す巧妙な手法が有効に適用された。この手法は中西自身の創意になるもので、広範な応用可能性を持ち、将来非線形偏微分方程式を研究する際の極めて有力な手段として期待される。
|
Report
(2 results)
Research Products
(11 results)