チェレンコフ効果による非平衡キャリアーの速度飽和特性解析
Project/Area Number |
12875001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied materials science/Crystal engineering
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
陽 完治 北海道大学, 量子集積エレクトロニクス研究センター, 教授 (60220539)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | チェレンコフ効果 / 速度飽和 / 非平衡フォノン / 顕微ラマン法 / フォノン放出 / 飽和速度 |
Research Abstract |
これまで、半導体中のキャリアの速度の測定は、従来タイム・オブ・フライト法やパルス・ホール効果などが知られていたが、実際の短チャンネル構造における高電界中の飽和速度を正確に測定することは難しかった。また、1次元などの低次元電子系の場合も電圧端子が取り出せないために、比較的低次元の移動度を直接求めることも難しかった。本課題で取り組んだ方法は、キャリアの放出する光学フォノンの伝達速度は音速程度(10^5〜10^6cm/sec)であるのに対し、半導体中のキャリアの飽和速度は、およそ10^6〜10^7cm/secのオーダーになることから電子により放出された光学フォノンのチェレンコフ・コーン広がりから直接キャリアの飽和速度を見積もることである。チェレンコフ・コーン状に広がった非平衡フォノンを顕微ラマン分光法を利用して探るという方法で、AlGaAs/GaAsヘテロ構造の高電子移動度トランジスタのソースからドレインへ高電界で加速された電子からのフォノン観測を試みた。励起レーザー光によりAlGaAs障壁層からフォトルミネッセンス光が出てくるため、AlGaAs障壁層に埋まったチャンネル領域にできるだけ近付いて、チャンネルからのフォノンを捕らえるべく、最高の解像度0.8ミクロンステップで画像データを集積した。現在、データを解析中であるが、最も有力なGaAs中のLOフォノンによる反ストークスシフトのデータ点の分布解析からは、チャンネルエッジからのフォノン放射の明確な痕跡は今のところ認められていない。可能性としては、チャンネルのエッジから漏れてきたフォノンは、本測定の測定限界である約1ミクロン以下の距離で減衰してしまったことが考えられる。フォノン放射の特定の可能性はさらに低いと思われるが、測定した全波長範囲での解析を研究期間終了後も進めるつもりである。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)