有機分子線エピタキシーによる青色レーザー分子固体の探索
Project/Area Number |
12875004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied materials science/Crystal engineering
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
柳 久雄 神戸大学, 工学部, 助手 (00220179)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 有機固体レーザー / エピタキシャル成長 / 青色発光 / Amprified Spontaneous Emission / Gain-Narrowing / 自己導波路効果 / p-セキシフェニル / Hot-Wall Epitaxy |
Research Abstract |
有機電界発光デバイスが実用段階に入り、現在では多波長発振可能な有機固体レーザーへの発展がおおいに期待されている。高電流注入下におけるレーザー発振を実現するためには、高安定発光分子の探索とならんで、高効率の導波路や共振器構造を導入した結晶性分子固体を設計することが重要である。そこで本研究では、高効率の青色発光を示すp-セキシフェニル(p-6P)分子を用い、高品質でサイズの大きな結晶の成長制御が可能なHot-Wall Epitaxy法を確立し、発光増幅が可能なp-6P結晶の作製を行い、下記の知見を得た。 (1)Hot-Wall Epitaxy法によるp-6P配向結晶の成長制御 Hot-Wall Epitaxy法では、温度制御したWallで閉じられた空間に分子を昇華させるため、熱力学的平行に近い条件下で結晶成長を行うことが可能で、欠陥が少なくサイズの大きな単結晶を基板上にエピタキシャル成長させることができる。本研究では、p-6P分子を石英管を用いたHot-Wall(140〜150℃)中に設置したKCl(001)面基板上に昇華成長させることによりエピタキシャル配向したロッド状単結晶を作製することに成功した。 (2)p-6Pロッド結晶の青色発光およびレーザー特性の評価 (1)で作製したp-6Pロッド状結晶は長さが100μm以上、幅300〜800nm、高さ80〜150nmの一次元形態をもち、紫外線励起下で非常に安定な青色発光を示した。この結晶をYAGパルスレーザー(λ=355nm)で励起してその発光スペクトルを測定した結果、あるエネルギー閾値以上で顕著なスペクトルのGain-Narrowingが観察された。これは、発光した光が結晶中に閉じ込められ、ロッド軸に沿って伝搬する自己導波路効果によるAmprified Spontaneous Emission(ASE)であることがわかった。 以上の結果より、Hot-Wall Epitaxy法により成長したp-6Pロッド結晶は安定な青色発光増幅を示し、今後、微小共振器構造や電流注入電極の導入により、有機青色レーザー材料として有望である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)