エキソ電子放射を利用したシリコン表面再構成過程の動的観察
Project/Area Number |
12875032
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
設計工学・機械要素・トライボロジー
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大前 伸夫 神戸大学, 工学部, 教授 (60029345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 久美子 神戸大学, 工学部, 教務職員(教育職) (20252794)
田川 雅人 神戸大学, 工学部, 助教授 (10216806)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | エキソ電子 / イオン放出 / 表面再構成 / シリコン |
Research Abstract |
本研究は半導体用結晶成長技術により培われてきたWell-Defined表面の作製技術を用いて、エキソ電子を初めとする固体表面からの電子放射現象を詳細に解析し、エキソ電子あるいはイオンに関する基礎科学的な貢献を目指すと同時に、新たな表面モニタリング法の開発も視野に入れた研究を行おうとするものである。申請2年目にあたる本年度は電子検出器の高感度化、温度測定の精度向上を図ることにより、Si(111)清浄表面からのイオン放射信号を明確に捕らえる事に成功した。本年度に得られた結果を以下に示す。 (1)RCA洗浄により清浄化した水素終端Si(111)の可逆的表面再構成温度である800℃で非定常のイオン放出を確認した。しかし他の表面再構成温度やSi(100)試料を用いた実験ではイオン放出信号を捕らえることはできなかった。 (2)観察された非定常イオン放出量は試料の冷却速度に依存しており、大きな冷却温度の場合にイオン放出量が増大することが示された。 (3)ケルビンフォース顕微鏡観察の結果から、この温度域での7x7から1x1への表面再構成にも冷却速度依存性が観察され、大きな冷却速度では熱平衡に達しない7x7の領域が再構成温度以下でも存在することが確認された。 以上の結果から、表面再構成時のイオン放出については、試料を急冷することにより表面再構成時に熱的な平衡状態に達することなく常温まで7x7構造が維持され、そのエネルギーの緩和過程としてイオン放出が生じるものと解析された。また、電子状態計算から、表面原子構造とエキソ電子放射の関連性を明らかにし、酸素吸着ならびに表面のステップの存在がエキソ電子放射現象に重要な役割を果たしていることが、計算の結果示された。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)