Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Research Abstract |
本研究では,磁気記録の記録密度を遙かに上回ると予想される,強誘電体のミクロな分極(双極子)を用いた高密度記録実現のひとつのステップとして,薄膜ではなく,強誘電体単結晶の表面を用いた新しい方法を提案し,微小領域への書き込み特性,及び将来の可能性を調べることを目的として行った。一般には,強誘電体記録には微小領域への書き込みを可能にするため薄膜を用いる方法が考えられているが,本研究は,容易に安定した表面が得られる単結晶基板を用いることを試みた。 探針に電圧を印加する方法では,単結晶を非常に薄くすることで,実験的にサブミクロンの微小な書き込み領域を得ることが可能になった。しかし表面を改質する方法については,十分な成果は得ることができなかった。だが,単結晶表面に,バルクと異なった性質を有する薄い表面層が存在することを示唆する実験結果が得られており,今後より詳細な研究が必要であることがわかり,新たな研究課題を見いだすことができた。 更に,今後表面層のミクロな分極状態を調べる研究を発展させるためには,分極の計測に今回の研究と同様,走査型非線形誘電率顕微鏡を用いることが不可欠であるが,今までの走査型非線形誘電率顕微鏡では困難であった試料表面の面内方向の分極成分を高い空間分解能で計測する必要があると考えられ,それを可能にするプローブにつても検討を行った。その結果,面内方向の分極成分を計測できるプローブの原型を得ることに成功した。これらの研究成果については,近日中に論文として投稿する予定である。
|