Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
本年度は,昨年度までに構築された個々人の選択行動モデルを,シミュレーションモデルに実装し,仮想的な交通施策実施前後における交通需要予測を行い,交通施策評価を行った. まず,京都市中心部を対象として,車両流入規制の評価を行った.ここでは,従来用いられてきたゾーンシステムにおける問題点に着目し,直交座標系でトリップエンドを表現する座標システムの概念を,既存の生活行動シミュレータPCATSへ導入し,詳細な交通行動を再現するシミュレーションモデルを開発した.そしてシミュレーションモデル内での計算効率化アルゴリズムとしてMCMC法を取り入れた.座標システムを導入することにより,施策によるトリップ数や自由活動時間の変動をよりミクロなレベルで再現することが可能であり,ゾーンシステムでは分析が困難であった公共交通機関あるいは自動車トリップの端末徒歩の解析を可能とするばかりでなく,計算コストの面でも実用的なシミュレーションであると言える. 次に,上記の分析で開発したシミュレーションモデルと地理情報システムを組み合わせて用い,災害発生時点の人々の滞在場所の地理的分布の把握を試みた.またGISを利用し,防災拠点や避難場所の空間的分布を視覚的に把握することで,各防災拠点・各避難場所から滞留人口集中地域への直線距離とそこまでの移動時間を指標として,現状の防災拠点・避難場所と滞留人口集中地域との空間的関係を検討した. 本研究の成果は,MCMC法というサンプリング・アルゴリズムを積極的に活用することにより,従来困難であった微視的な行動分析を,現実的な計算コストの上で,分析可能であることを示した点にある.
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