Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2001: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Research Abstract |
スピントンネル磁気抵抗効果を利用したトンネル接合膜は,将来の超高密度メモリーの開発につながり強く期待されているが,現在,非常に薄い絶縁層膜を均一に作製することが困難であるため,スピントンネル磁気抵抗効果の物理的なメカニズムを解明するうえで障壁になっており,再現性のあるトンネル接合特性を持つた高品位の接合膜の作製と系統的な特性評価が求められている.このような背景のもと,本研究は,強磁性層の構成元素,絶縁層の種類と膜厚,エピタクシアル配向面等の設計を変えた高品位なトンネル接合膜を作製するための基礎的知見を得ること、スピントンネル磁気抵抗特性を評価することを目指して,系統的な研究を行なった. MgO(001),SrTiO_3(001),Al_2O_3(サファイア)(O001)基板上に強磁性兀素Fe、Coを蒸着して構造および表界面平坦性を調べた研究では、Feは,Al_2O_3(0001)上にFe(110)//Al_20_3(0001)(3方位)を保って,膜厚0.1-3.0nmの範囲では、島状成長したが,その後熱処理すると平坦化した.SrTiO_3(001)上では,Fe(001)[110]//SrTiO_3(001)[100]を保って成長したが,表面平坦性は膜厚により変化した.このように,結晶方位関係、平坦性についての知見を系統的に得ることが出来,トンネル接合膜センサー材料の進展に役立つ基礎的知見を得た. 次に、ZnOをスペーサーとした[Fe/ZnO]多層膜,[Co/ZnO]多層膜を作製し,界面構造と磁気特性、電気伝導性について調べた研究では,(a)Fe/ZnOの界面では相互拡散は起っていない,(b)Co/ZnOでは,相互拡散層は,0.3nm程度である,(c)ZnOの薄膜にかかわらず,ZnO層は高抵抗率を有する結晶化半導体層,あるいは絶縁体層である,ことが明らかになり,いずれの多層膜も,センサー材料として有望であることが明らかになった.
|