ブロック共重合体ミセル形成時の鎖長識別現象に基づく新規ホスト-ゲスト系の構築
Project/Area Number |
12875185
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
高分子構造・物性(含繊維)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
片岡 一則 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00130245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 敦史 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (50302774)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | ポリイオンコンプレックスミセル / ブロック共重合体 / ホモポリマー / ホスト-ゲスト / ポリエチレングリコール / ポリ-L-リシン / ポリアスパラギン酸 / プロック共重合体 / コアーシェル構造 / 界面密度 / ポリアミノ酸 |
Research Abstract |
本年度は、反対荷電を有するブロック共重合体間及びブロック共重合体とホモポリマー間で形成されるポリイオンコンプレックス(PIC)ミセル形成の化学量論性について検討を行い、PICミセル形成においてブロック共重合体とホモポリマーの識別が起こることを発見した。荷電を有するブロック共重合体としてpoly(ethylene glycol)-b-poly(aspartic acid)(PEG-P(Asp))とPEG-b-poly(L-lysine)(PEG-P(Lys))、ホモポリマーとしてP(Lys)を用いた。PEG-P(Asp)とPEG-P(Ly5)あるいはP(Lys)を種々混合比([Lys]/[Asp])で混合した溶液について光散乱測定・粘度測定を行った。PEG-P(Asp)/PEG-P(Lys)系、PEG-P(Asp)/P(Lys)系のいずれにおいても化学量論的な混合比は[Lys]=[Asp]であり、[Lys]>[Asp]におけるミセル形成挙動は協同的であった。しかしながら、[Asp]>[Lys]においては、PEG-P(Asp)/PEG-P(Lys)系では協同的ミセル形成挙動を示すのに対し、PEG-P(Asp)/P(Lys)系では非協同的な形成挙動を示した。非協同的なミセル形成挙動を示した系について、その会合状態を検討するために静的光散乱測定及び分析用超遠心分離測定を行った結果、混合比を変化させてもPEG-P(Asp)の会合数が一定の会合体を形成していることが確認された。これは、PEG-P(Asp)とP(Lys)の会合体形成においては、PEG-P(Asp)がホスト分子、P(Lys)がゲスト分子として振る舞っていることを示唆するものである。このような現象は、P(AsP)がPEGとブロック共重合体化されることによってエントロピーが減少しているために会合体形成に伴うエントロピーの減少がP(Lys)に比べて小さいために生じた現象であると考えられる。この会合体形成におけるエントロピー減少の違いを評価するためにPEG-P(Lys)とP(Lys)の混合溶液に、種々比率でPEG-P(Asp)で添加した場合のミセル形成挙動をGPC測定によって評価した結果、PEG-P(Asp)はPEG-P(Ly5)と高い選択性(95%)で会合することが確認され、ミセル形成に伴うエントロピーロスがブロック共重合体とホモポリマーで著しく異なることが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)